未知の不正プログラムを遮断するトレンドマイクロの取り組み
トレンドマイクロは、コンピュータやインターネットにおけるセキュリティ専業ベンダー大手だ。グローバルで事業を展開する同社は、日々進化を遂げ、複雑化するウイルスに対して、24時間365日体制で、世界中のネットワーク状況をモニタリングし、ウイルスの発見および解析を行う「トレンドラボ」を組織。強力な顧客サポート体制を築いている。
また、ウイルスを発見し、検体を入手した後にその処方箋ともいえるパターンファイルを作るプロセスは既知のウイルスへの対策にしかなり得ない。未知のウイルスから事前にコンピュータを守るため、ネットワーク上の怪しい挙動を捉えるエンジンの改善や新しいソリューションの提供も積極的に行っている。
そのトレンドマイクロが、MIJSに参加した。上席執行役員で日本代表を務める大三川彰彦氏は、その理由について次のように語る。
「トレンドマイクロは、コンテンツセキュリティをコアとし、個人やホームオフィスに向けたウイルスバスターをはじめ、中小、中規模、大企業向けに各セキュリティ対策用ソフトウェアやアプライアンス製品を提供しています。今まで提供してきたソリューションの他、先日発表した米Provilla社の買収により、今後は、強固な情報漏洩防止対策ソリューションを新たに提供できるようになります。トレンドマイクロは、全世界に向けて製品やサービスを展開していますが、製品ラインアップすべての領域で多数のユーザーを獲得しているのは日本だけです。売り上げ全体の約4割を占める日本のマーケットは、われわれにとって非常に重要な意味を持っています。しかし、現在における日本のIT業界は、ほとんどが米国発のソフトウェアベンダーに席巻されています。その状況を憂い、寂しささえも感じていました。そこで、トレンドマイクロは、日本発のソフトウェアベンダーが活性化し、グローバル展開するための支援を目的にMIJSへの参画を表明したのです」
大三川氏は、MIJSの存在を偶然目にとまった新聞記事で知ったという。目的と趣旨を一読したときに、興味を喚起され、自らMIJSにアプローチを図ったそうだ。
「日本の有力なソフトウェアベンダーが結集し、リソースやノウハウを共有できれば、各ベンダーが擁する既存のアプリケーションをシームレスに連携させることが可能です。また、共同で開発しあえる基盤を作ることで、新たなサービスが生まれるかもしれない。これらのメッセージに触発されましたね」(大三川氏)