15カ月の成果を問う
「“日本発”のソフトを世界へ」を合い言葉に国内の有力ソフトベンダーが集結し、製品の相互連携を行い事業の海外展開、国内ビジネス基盤の強化を目指すMIJS(Made in Japan Softwareコンソーシアム)。その取り組みの成果を発表する第2回MIJSカンファレンスが11月29日、開催された。
午前10時にオープンしたカンファレンスでは冒頭、MIJSの理事長である松田孝裕氏(ソフトブレーン社長)が挨拶。続いて理事の長谷川礼司氏(アプレッソ社長)がMIJSの活動の大きな柱であるオーバーシーズ・オペレーション部会のこれまでの取り組みを報告した。
今回のカンファレンスの開幕に当たり、MIJSを代表して挨拶に立った松田氏は「今日1日、『MIJSがソフトウェア・ビジネスを変える』を考える場として、このカンファレンスを開催した。MIJS創立以来約15カ月が経過したが、その間、どのような活動を行ってきたかをお話したい」として次のように言葉を続けた。
「MIJSの活動の目的は大きく2つあり、そのひとつは製品連携だ。これまでのソフトウェアは、ひとつのベンダーが単独でその機能強化を進めてきたが、MIJSでは連携という作業を通してお客様に役立つソフトウェアを作り出していく。もうひとつは海外展開。日本のソフトウェア市場は諸外国のソフトウェア会社に席巻されている。そうした現状を打破しなくてはならないということで、2006年8月に13社でMIJSを立ち上げた」
その後、MIJSの正会員は24社への拡大し、現在は賛助会員11社、ベンチャー企業で将来のMIJSを担うアーリーステージの会員7社を抱えるまでにその組織を拡大している。また、製品連携の技術部会、海外展開を目指すオーバーシーズ・オペレーション部会のほか、人材採用・育成、マーケティングなど日本のソフトウェアが抱えるテーマごとに、合計7つの部会で活動が行われている。
続いて松田氏は、MIJS設立移行の取り組みを時系列的に紹介。「2008年は標準規格のさらなる充実とSaaS(Software as a Service)への取り組みを具体化したい。また、技術部会ではバーチャル検証センターを開設、各種連携の試験、保証を行う。人材採用・育成部会ではMIJSとして大学などへの人材採用を働きかけている。このようにMIJSは15カ月充実した活動を展開してきた。今日一日はぜひ、MIJSがどのような活動をしてきたか、どのような成果を得たかを皆さん自身で確認していただきたい」と述べた。
忸怩たる思いを払拭
松田氏の挨拶に続き、同じメイン会場で、MIJSの重要テーマのひとつである海外展開について、オーバーシーズ・オペレーション部会部長の長谷川氏が海外調査の中間報告という形でその活動内容を紹介した。