CRMベンダーは、この問題を克服する助けになるサービスを提供できるから、この面を熱心に強調している。でも、あわててCRMの作業に取り組んだり、適切な種類の技術を選択しないと、巨額の予算をむだにすることになると言える。
また、収集される情報は、顧客についての情報だけじゃないんだ。販売、マーケティング効果、市場動向についてのデータも重要な役割を果たすからね。
--マイナス面はないの?
CRM技術を導入するだけで一夜にして世界が変わる、なんてことはない。社員がCRMのメリットを納得している必要があるし、企業はビジネスプロセスを分析し、新しい仕事の方法と適合させるために何を変える必要があるかを知っておく必要がある。
だから基本的には、CRM技術を導入する場合、IT部門だけじゃなく、組織全体で検討し、計画しなきゃならないことがたくさんあるんだ。
--CRMって本当にそんなに大きな市場なの?
Gartnerによれば、ヨーロッパ市場だけで、2006年末までのライセンスと保守に関する売上高は約22憶ドルだった。これはこの年度で8.2%の成長だったんだ。だから答えはイエス。CRMは大きな市場で、数えきれないベンダーが一儲けしたいと考えている。
--具体的にはどこ?
MicrosoftやOracleから、オンデマンドソフトウェアプロバイダのSalesforce.comのような比較的新しい会社まで、だれもかれもがCRM分野に参入している。
OracleはSiebel製品、MicrosoftはDynamicsによる技術を提供しているし、HP、IBM、SAPなどからも数多くの製品が提供されているんだ。サービスとしてのソフトウェア(Software-as-a-service:Saas)側の主要企業は、NetsuiteとSalesforce.comだね。