帯域幅に段階的に対応
ビデオ会議システムが企業にとって有効なツールであることは間違いないのだが、専用の機材に加えてそれなりの帯域幅を持った回線が必要になることから、実際の導入には躊躇せざるを得ないというのが企業としての本音だろう。日本タンバーグでは、そうした企業に対する配慮を忘れてはいない。
現段階で、ビデオ会議システムの画質という点で主流となりつつあるのが、「720p」と呼ばれる方式のHDだ。720pは地上波デジタルのテレビと同じような精細度の映像を活用できるが、必要とする帯域幅は1Mbpsとなっている。ビデオ会議システムにそれだけの帯域幅を割けるかどうかとなると、やや難しい問題と言えるだろう。こうした問題に対してタンバーグでは「HDにはこだわりたいが、ビデオ会議システムの導入する際の壁を高くしたくない」(同社キー・アカウント・マネジャーの山銅章太氏)としている。
山銅氏の説明によれば、「企業の90%がビデオ会議システムの帯域幅として384〜768kbpsを使っている」という。これは、ビデオ会議システムがほかのIP通信サービスに影響を与えたくないという理由によるものだという。タンバーグの強みは、帯域幅384〜768kbpsに段階的に対応した画質を提供できることだ。384kbpsであれば「448p」という方式、512kbpsであれば448pのワイド版である「w448p」という方式、768kbpsであれば「576p」という方式といったように、企業がビデオ会議システムに割ける帯域幅に段階的に対応しているのである。つまりは、「回線の速度を変えると映像の品質も変えることができる」(山銅氏)のである。
「他社製品だと、HD対応といった時にはHDにしか対応できないことを指しているが、タンバーグでは、HD以外の方式にも段階的に対応できているようになっています」(山銅氏)
このように、企業の実情にあわせたシステムを提案するタンバーグでは、現在のビデオ会議システムの普及の度合いについて、「爆発的普及の一歩手前にある」(三浦氏)と見ており、同社では、その爆発的普及の一役を担いたいとしている。