進化するテレビ会議(10)--ウェブエックス:実務者の共同作業に適したウェブ会議 - (page 2)

田中好伸(編集部)

2008-04-24 12:00

 国内大手の医薬品メーカーである同社では、研究開発体制として国内外のさまざまな部署から選ばれたメンバーから構成されるグローバルの特別プロジェクトチームを形成。プロジェクトの進捗はビデオ会議システムや電話会議システムで行われていた。

 しかし、こうした会議形態では「会議時の資料共有が難しい」という課題を抱えていたという。会議の参加者に事前にメールで資料を送り合い、プレゼンテーションの際にたとえば「いまは5ページ目のスライドを見ています」といった具合に、適時確認する必要があったというのである。

 ビデオ会議システムや電話会議システムで音声の共有は問題なかったものの、参加者各自が事前に資料を準備しなければならないという点は非効率。またプレゼンテーションが終わった後で重要となる質疑応答では、該当する部分がどのページに関するものなのか分かりづらく、議論のベースが英語である場合は、さらに混乱を招くということもあったという。

 だが同社ではWebEx Meeting Centerを導入したことで、会議を効率的に展開できるようになっている。資料の共有については、資料のどの部分を指しているのかが明確に、またポインタツールを使うことで、該当個所を指し示すことでよりスムーズな会議進行ができるようになっているともいう。

 事前に資料を用意しなければならなかったという問題も、導入後はWebEx Meeting Centerに資料をアップロードするだけでいいことから、会議10分前に資料の差し替えなどが発生しても十分に対応できるようになっているのである。

 WebEx Meeting Centerのユニークな使い方としてはある大手商社の事例が挙げられる。同社では当初、グループ企業や顧客企業との会議にWebEx Meeting Centerを活用していた。しかし、WebEx Meeting Centerの資料共有機能に着目。WebEx Meeting Centerのボタンをイントラネットに設置して、全社員での情報共有インフラとして活用しているのである。

 こうした活用ができるのは、ウェブエックスのサービスがSaaSとして提供されているからだ。自社のシステムとして組み込むことができるのである。

 ウェブエックスの提供するサービスがSaaSとして有効であるのは、SaaS事業者の最大手であるSalesforce.comとシステム連携がなされていることでも分かるだろう。Salesforceの画面からウェブエックスのサービスを呼び出されるようになっている。

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