ブロケード コミュニケーションズ システムズは4月23日、フジテレビジョンが自社のメールサーバと基幹システム開発サーバのデータ移行にブロケードのデータ移行サービスを採用、合計2回にわたるデータ移行を完了したことを発表した。
フジテレビでは、社内データ容量の増加に対応するためストレージの仮想化を進めてきており、仮想化に最適化されたストレージ環境に移行するため、新旧ストレージ間でデータ移行をする必要があった。同社では、2007年2月からデータ移行ソリューションを検討。その結果として、シンプルな構成でダウンタイムを最小限に抑えながら高速にデータ移行ができるとしてブロケードのデータ移行サービスを採用し、2007年6月にメールサーバの移行を行っている。
それまでに行ったデータ移行では、テープもしくはファイルベースの移行方法しか手段がなく、13時間以上の移行時間が必要であったのに比べ、ブロケードのデータ移行サービスでは400Gバイトのデータ移行を約30分で完了、検証を含めても1時間あまりでデータ移行を終了し、システムのダウンタイムを最小限に抑えることに成功しているという。フジテレビでは、2008年1月に約4.3テラバイトの基幹系システム開発データの移行にもブロケードのデータ移行サービスを採用し、問題なく完了させている。
ブロケードのデータ移行サービスは、ブロケードが開発・提供するデータ移行専用アプライアンスである「Brocade Data Migration Manager」(DMM)を活用して、高速・安全にデータを移行させるサービス。異機種ストレージ間でのデータ移行のサポート、1時間あたり数百Gバイトから1テラバイトの高速データ移行が特徴だ。データマネジメントの経験と情報を有するブロケードのコンサルタントが、データ移行前の企画から実施後のレポート提供までを顧客のニーズに合わせて包括的に支援することで、ユーザー企業にとってはニーズに応じて採用できるシンプルでコスト効率の高いサービスとしている。
フジテレビでは、ブロケードのデータ移行サービスの採用にあたって、(1)データ移行に特化したシンプルな運用性(2)専用アプライアンスによる安全・高速なデータ移行(3)コスト効率の高いサービスとしての提供――の3点を評価しているという。
(1)では、既存環境に特別な設定やエージェントのインストールが不要となっており、ブロックベースのツールであるDMMを採用することで、移行後のファイル照合が必要なファイルベースのツールと比較して移行後の検証が容易であるという。(2)については、DMMを通じて提供され、テープバックアップを介さないエンド・トゥ・エンドでの移行が可能であることから、セキュリティ面で安全であるとしている。1時間あたり700Gバイト近くでの高速データ移行を実現しており、サービス停止時間を最小限に抑制できると説明している。
フジテレビでは、今回の2回のデータ移行プロジェクトでブロケードのデータ移行サービスが得意とする領域を把握できたとして、今後予測されるストレージの入れ替えやサーバアプリケーションの変更に伴うデータ移行についても、今回の採用実績を踏まえてブロケードのデータ移行サービスの再利用を積極的に検討していきたいとしている。