社会や組織が激変する時代にIBMが提唱する「スマートな働き方」とは何か - (page 3)

柴田克己(編集部)

2009-09-10 16:49

 変化に対応し、イノベーションを起こすことを目指したIBMの取り組みの例として、丸山氏は「Innovation Jam」について紹介した。IBMでは、2001年以降「Jam」と呼ばれる試みを定期的に行っている。これはIBM社内外から多様かつ大量のアイデアを募り、その中に表れる共通の知見を「大衆の知恵」、いわゆる集合知として抽出しようというものだ。昨年実施された「Innovation Jam 2008」では、「変化するために構成された企業」「顧客をビジネスパートナーに」「世界規模での統合」「地球と人々」といったトピックに対して、72時間のJam実施期間中に世界中の有識者から約3万件の意見が寄せられたという。

 もちろん、こうした取り組みの中から、実際にイノベーションを導くためには、ITによるサポートが不可欠となる。Innovation Jamにおいては、短時間で大量のアイデアを集約し、それらを事後分析するにあたって、IBMのテクノロジを駆使している。

 丸山氏は、Innovation Jamの例を引きつつ、企業のコラボレーションを支援するITの例として、「社内電話帳」や「デスクトップビデオソリューション」「RADVION Scorpia+Lotus Sametime Connect」といったコミュニケーションツールや、大量のテキストを分析し全体の傾向や特徴を抽出するテキストマイニング技術などを示す。

 そして、これらのツールを企業が利用するにあたっては、「オープンでありながらも必要なセキュリティポリシーは守られる“オープンかつセキュア”な技術」がベースになっていることが重要であるとする。「社会や企業の抱える問題をイノベーションで解決するにあたり、IBMは、それをITで支えるための技術とノウハウを提供できる」とした。

John Alessio氏 IBM Corporation、Lotusソフトウェアサービス担当バイスプレジデントのJohn Alessio氏

「スマートワーク」がビジネスにもたらす価値

 基調講演2人目の話者として登壇したのは、IBM Corporation、Lotusソフトウェアサービス担当バイスプレジデントのJohn Alessio氏だ。同氏は「個人・組織の能力を最大限に引き出し、競争力を高め、ビジネス成長の源泉にする。それこそがリーダーの使命」とのタイトルで、丸山氏の講演を受けて、実際のビジネスの場面で「Smart Work」はどのように実現されるのか、それによってどのようなメリットが得られるかについて紹介した。

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