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「ビジネスチャンスではなく義務」--IFRS対応支援を拡充するディーバの取り組み - (page 3)

田中好伸(編集部)

2009-11-25 11:06

 これまで見てきたように、IFRSでは連結会計での財務報告を対象にしている。その際に、子会社から寄せられる会計結果をどのように財務報告にまとめ上げるかが大きな課題だ。そうした課題に対して、大手ERPパッケージベンダーは、本社が稼働させる大きなERPの個別会計システムをグループ企業全社で使えばいいという提案をしている。“グローバルシングルインスタンス”というものだ(グローバルシングルインスタンスは、その延長線上として企業グループ内に財務経理のサービスを提供する“シェアードサービス”という解決策も含んでいる)。

 それに対してディーバは、グローバルシングルインスタンスよりも低コストで容易に展開できるソリューションを現在開発中としている。具体的には、「グループで統一の会計基準を作成して、グループ会社の会計情報を仕訳単位で統合するソリューション」(森川氏)と説明する。このソリューションは以前「Global Group Management(GGM)」と紹介していたものだ

 このグループ会社の全会計情報を仕訳単位で統合するソリューション(グループ統合GL)は、グループ内で会計基準を統一して、グループ内でIFRS組み替えスキームを共有することで、子会社への業務負荷を軽減できると同社は説明する。また、子会社の個別会計仕訳帳レベルまでグループの統制を効かせることができるともしている。

 森川氏の説明によれば、ERPの現在のユーザー企業でもグループ統一会計基準がないために、ERPがグループの隅々にまで行き渡っていないという現実があるという。また、小さい規模の企業では、ERPを使えないことも指摘している。

 それよりも、グループ統一会計基準を作成して、グループ企業各社の会計システムから情報を収集した方がより低コストに済ませられるとしている。グループ統合GLであれば、子会社の個別会計システムを再構築するよりも、グループ全体のシステム投資を抑制できるという。グループ統合GLは、グループ企業のERPや個別会計システムの側で、IFRSと各GAAPに対応した二重帳簿を保持する形態と、引き続きGAAP対応で帳簿を作成する形態、個別会計システム自体が未整備な形態のいずれも広くカバーできると、そのメリットを説明する。

 IFRS適用とは別に、グループ企業ERPの全面展開を進めているグローバルシングルインスタンスを考慮したプロジェクトを進めているという企業は別として、もし企業グループ内で個別のERPや個別会計システムが別々に稼働しているとしたら、IFRS対応でそれらを個別に再構築するのではなく、既存のシステムを稼働させつつ、IFRSへの対応を済ませられる可能性があるからだ。システムの投資対効果(ROI)や総所有コスト(TCO)を効率的に計画できるということも可能になる。また、グループ企業各社の会計情報を仕訳単位で見られるというのも、グループ企業へのガバナンスをより一層効かすことが可能になるということであり、単なるIFRS対応以上の意味を帯びてくるだろう。

開示情報からIR資料作成

 企業のIFRS対応は、これまで見てきたように、さまざまな領域で大きな負荷がかかるであろうことが理解できるだろう。ただでさえ、日本企業はこの数年で連結開示や四半期報告などの義務化、決算情報の早期発表、加えて、日本版SOX法で財務諸表の“品質保証書”とでも言える「内部統制報告書」も要請されている。その上にIFRSとなると、情報システム部門はもちろん、財務や経理の各部門に対する負荷が今後ますます高くなる可能性があるのは、改めて指摘するまでもない。

 そうした事情から、証券取引所に上場し続けるのは「コストがかかる一方だ」という雰囲気があるのも事実。もちろん、開かれた市場に企業の株式が流通するのはメリットが多いが、それにかかる労働負荷も含めたコストが現場へのプレッシャーになっているとも指摘できる。そうした状況に対して、コスト削減や監査効率の向上を狙うために、ディーバは、開示/IRという分野にも今後注力していく方針だ。先に挙げた(3)がこのことだ。

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