「攻めに転ずる企業に予見力を提供する」--SAS吉田社長が戦略発表、SaaS展開も明言 - (page 2)

大河原克行

2010-02-17 19:36

 「アクセンチュアとの協業では、主に金融、医療、官公庁などを対象に、案件のシェアリングを行い、早い段階からアクセンチュアにもビジネスに参加してもらう体制をとる。日立システムとは主に製造業分野でのサプライチェーンマネジメントでの協業が中心となる。今後も日本におけるパートナーとの協業は、グローバルパートナーとの提携を含めて、四半期ごとに発表できるだろう」(吉田氏)

 吉田氏は「2010年の国内のIT市場はマイナス成長になると見られているが、市場分析や経営分析ツールが注目を集め、BI/BA市場は前年比6.2%増と急拡大すると見られている。SASは攻めに転ずる企業にBusiness Analyticsソリューションで、見る、知る、予測する予見力を提供する」と語った。

Keith Collins氏 SAS Instituteの上席副社長兼最高技術責任者であるKeith Collins氏

 また、来日したSAS Instituteの上席副社長兼最高技術責任者であるKeith Collins氏は、「34年間に渡って増収増益を続けてきた理由は、顧客のクリティカルな要求に対して対応し続けてきた点にある」としたほか、「過去40年間に渡って、IT業界は配管修理をし続けてきたようなもの。情報をビジネスに入れ込もうと、漏れないようにすることに力を注いできた。だが、ビジネスの優先度とテクノロジーの優先度には乖離(かいり)があり、ビジネスの課題解決にITが力を発揮できているのかというと、私はノーであると考える」などと、ITが抱える課題を指摘した。

 さらに、アナリティクスには、「最適化」「予測型モデリング」「時系列予測」「統計分析」「アラート」「検索・ドリルダウン」「非定型レポート」「定型レポート」の8段階があるとし、「可視化のツールは、ビジネスを推進するために使われるものではなく、プロセスをテストするために使われるものであり、検証した情報をデリバリするために使われるもの」などと語った。

 加えて、「情報をビジネスに活用するためには、ハイパフォーマンスコンピューティング、プロセスの自動化、データ管理およびデータガバナンス、ビジネスの可視化、SaaSの活用があげられる」とし、「新たな規範の時代が訪れ、ITを活用した新たなアナリティクスの手法を理解した上で、SaaSのような新たなソリューションを活用することが、今後求められるようになる」とした。

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