日本インターネットエクスチェンジ(JPIX)と伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は3月3日、CTCの大手町インターネットデータセンター(OiDC)において、インターネット相互接続ポイント「IXサービス」を3月から提供することで合意したと発表した。
同サービスでは、IX接続を希望するユーザーに対し、JPIXがIXサービスを提供し、CTCがOiDCでデータセンターサービス(ハウジングサービス)を提供する。今回の協業により、ネットワーク事業者はOiDCを利用することで、JPIX設備と自社の機器を直接接続し、JPIXの120社以上のユーザーとトラフィックを直接交換することができるようになるとしている。
CTCによれば、OiDCは大手町に立地し、制震構造のインテリジェントビルに、極めて信頼性の高い電力供給および空調システム、ガス消火設備、厳重なセキュリティ管理システムなど、最高レベルのファシリティを備えるという。そのため、ユーザー企業はIXを利用することにより、効率的で信頼の高いトラフィックの交換ができるとしている。
昨今、インターネットを通じた音声や映像の配信技術の高度化により通信量が急激に増加しており、ネットワーク事業者にとっては、バックボーンネットワーク品質の向上が課題となっているという。ネットワーク事業者のインターネットトラフィックはIXと呼ばれる相互接続ポイントで中継される。IXはインターネットを構成するISP同士が無駄な中継をすることなく、経済的に相互接続を行い、インターネットにおけるバックボーンを下支えする役割を果たしているという。特に大手町地区は、ネットワーク事業者にとってIXの大きな需要があるとしている。
日本におけるIXは、WIDEプロジェクトがNSPIXPとして先駆的に開始し、大きな実績を上げてきたという。JPIXは、その成果を受けて商用IXとしてスタートしたが、日本の大手ISP、CSP(コンテンツサービスプロバイダー)のみならず、海外のISPとも接続。現在では、接続ユーザー数が日本最大級のIXだとしている。JPIXではこれまでにも東京地区6サイト、このうち大手町地区では2カ所でサイト展開を行っているが、大手町地区における新規および拡張希望の需要は強く、今後も増えることを見込んでいるという。