Microsoftウォッチャーのほとんどが、米国時間5月25日に最高経営責任者(CEO)のSteve Ballmer氏により発表された再編成の一部となるエンターテインメント&デバイス部門プレジデントのRobbie Bach氏と最高エクスペリエンス責任者(CXO)のJ Allard氏の退任に注目している。
しかし、同日発表された中には、注目されていないが、見過ごすことのできないニュースも混じっている。以下に6つを挙げてみる。
- Windowsウェブサービス事業部が新設。Office生産性アプリケーショングループ担当シニアバイスプレジデントを勤めていたAntoine Leblond氏が、Windowsウェブサービスチームのシニアバイスプレジデントという新しい役職に就く。では、Windowsウェブサービスとは何か?Ballmer氏の電子メールによると、「アップデートやソリューション、コミュニティ、詳細情報をWindowsコンシューマーに配信している統合されたWindowsサービス」とある。Leblond氏はWindows/Windows Live担当プレジデントのSteven Sinofsky氏に直接報告することになる。だが、Windowsウェブサービスは「Windows Live」とは無関係、とMicrosoftは述べている。
- Officeグループに新しい開発責任者が就任。Officeビジネス生産性グループ担当シニアバイスプレジデントのKurt DelBene氏が、Officeビジネス全体の開発を統括することになった。
- LiveプラットフォームサービストップのDavid Treadwell氏がWindows部門を離れ、インタラクティブエンターテインメント事業(「Xbox」とビデオゲームを担当する部門の一部)に移った。開発者にとって「Windows Live Platform」の存在感が薄くなりつつあるが、今回の変更は何を意味するのか?Microsoftの代表者によると、Live Platformは現在でも展開中で、コーポレートバイスプレジデントのChris Jones氏が率いているという。だが、Microsoftが最後にWindows Liveの開発者向け分野での取り組みを語ったのは、ずいぶん前のことになる。
- Ballmer氏はBach氏の後任を任命しなかったが、これは前例がある。Windowsプラットフォームおよびサービス部門トップのKevin Johnson氏が2008年にMicrosoftを退社し、Juniper Networksに移ったときのことを覚えているだろうか?Ballmer氏はしばらくの間、Windowsとオンラインサービスが軌道に乗るまで直接自分に報告させていた。Ballmer氏は今回のゲームとモバイルの再編でも、同じ方針のようだ(ある時期になったら、Ballmer氏は新しいモバイル担当プレジデントを任命するのではないかとわたしは予想する)。
- 25日の再編の一部として、Microsoftの代表者はMac事業部(MacBU)がMicrosoftビジネス部門に統合されたことを認めた。「Surface」チームの動向についても聞いてみたが、
返事はなかった。この代表者によると、Rusty Jefress氏が率いる専門デバイス&アプリケーションチーム--MacBU、エンベデッド、車載、Surface、ハードウェアを含む--は、Bach氏の移行期間が2010年秋に終了するまでBach氏の下で運営されるという。その後、他のチームがどうなるのかについては今後決定するとのことだ。 - Mindy Mount氏がオンラインサービス事業部のコーポレートバイスプレジデント兼最高財務責任者(CFO)に就任した。それまで、Mount氏はエンターテインメント&デバイス事業部のコーポレートバイスプレジデント兼CFOを務めていた。
Bach氏とAllard氏がMicrosoftを去るというニュースに対する反応は、肯定的なものと否定的なものとが混ざっている。エンターテインメント/コンシューマー分野においてMicrosoftは終わりに向かいつつあると見る人もあれば、肯定的とみる人--匿名のMicrosoftブロガーのWho da'Punk(Mini Microsoft)もその1人だ--ある。
わたしはどちらかというと後者に入る。エンターテインメント&デバイス事業部は刷新が必要だった。ただ、モバイルとゲームの刷新を率いるにあたってBallmer氏が適任かどうかについては、100%確信できない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ