日本はどうするのか
さて、日本では、アウトソーシングというモデルが欧米ほどには発達せず、クラウドモデルも後発である。そもそも業界というよりは企業スペシフィックな要請が強い企業文化を培って来た日本は、そもそもパッケージソフトウェアの導入自体が難しく、業務プロセスの標準化も困難である。
一方で、国内成長に限りがある中で、企業は海外への成長を求めることとなる。その時に、ITにおける競争力において劣後しないだけの基盤をITのサプライヤーとしては支援できるようにしていく必要性を強く感じる。所謂オフショアアウトソーシングへのしがらみが少ない分、一気にクラウド型アウトソーシングへの移行も行い易いと言えるかもしれない。
さて、いよいよ、飯田哲夫個展『Ambivalent Images II』がThe Artcomplex Center of Tokyoにて、8月31日より始まります。アウトソーシングの対極にある完全なる属人的手作業による一点ものの作品ばかりを展示しています。テクノロジーに疲れたら、是非お立ち寄り下さい。

筆者紹介
飯田哲夫(Tetsuo Iida)
電通国際情報サービスにてビジネス企画を担当。1992年、東京大学文学部仏文科卒業後、不確かな世界を求めてIT業界へ。金融機関向けのITソリューションの開発・企画を担当。その後ロンドン勤務を経て、マンチェスター・ビジネス・スクールにて経営学修士(MBA)を取得。知る人ぞ知る現代美術の老舗、美学校にも在籍していた。報われることのない釣り師。