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スティーブ・ジョブズ最大の功績を分析する--一人のアンチアップル派の追悼

栗原潔 (テックバイザージェイピー)

2011-10-07 11:00

 このタイミングで言うのも何だが、私はAppleという会社があまり好きではない。

 かなり昔のことになるが、Quadra 800の拡張カードへの多大な投資が移行パスをまったく残さないNuBusからPCIへの切り替えによりゴミになってしまったからだ。それ以外にも旧機種ユーザーの容赦ない切り捨て、Power Mac互換機戦略の突然の打ち切り、最近のiPhone 4におけるアンテナ問題等に代表される製品の品質面に対する不誠実な対応、さらには最近の対Android陣営特許訴訟においてライセンスを許さず強硬姿勢を貫いていることなども理由だ。

 と言いつつ、この原稿はMacBook Airで書いているし(ただし、OSはWindows 7)、iPod(4台)、iPhone、iPadを所有している。Apple嫌いの自分であっても使わざるを得なくなるほど、Apple製品には魅力があるということだろう。

 そういう意味では、いわゆるAppleファンの人々と比べて、私のJobs氏の死去に対するセンチメンタルな感情は薄いかもしれない。もちろん、彼の死が悲しくないわけはない。56歳という年齢を考えれば、まだまだ人生でやりたいことはいくらでもあったはずなのに、志半ばで倒れた気持ちを考えると何ともやりきれなくなる

 本稿では私なりの「追悼」として、経営者としてのJobs氏について考えてみたい。

挫折がなければ、今のアップルはなかったのではないか

 あえて言うまでもなく、Jobs氏は今日のIT業界におけるワン・アンド・オンリーの存在だ。とは言え、何でもパーフェクトにこなす天才肌の人物とは思えない。

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