クラウドに関連する事業戦略や企画支援を提供するブリスコラはクラウドサービスを連携させた帳票システムを構築した。見積書や納品書の作成から出力までを一貫して処理できるという。10月19日に発表した。
ブリスコラはSaaS型顧客情報管理システム(CRM)「Salesforce CRM」で見積書の作成、顧客情報や案件管理などを一元化して、営業業務の効率化を図っている。だが、見積書や納品書などの帳票が増え続ける中で、出力の負荷が高まり、効率化の向上が求められるようになってきたことから、帳票システムの導入を決定したという。
同社は日本IBMが提供するIaaS「IBM Smart Business Cloud - Enterprise」を基盤として、その上にウイングアーク テクノロジーズが提供する「帳票SaaS」を採用している。帳票SaaSは、帳票基盤ソフトウェア「SVF」をベースにしたSaaSであり、帳票が必要とされる日本企業の業務に適した運用ができるように設計されており、柔軟で効率的な帳票運用環境が提供されるとしている。
ブリスコラは、クラウドサービス間の連携を簡単に実現できるアプライアンス「IBM WebSphere Datapower Cast Iron Appliance」を採用して、一般的には数カ月かかる、SaaS型CRMと今回の帳票クラウドサービスの連携を7日で実現したという。このクラウド間連携により、Salesforce CRMの画面上の帳票作成ボタンをクリックすれば、リアルタイムに帳票SaaSと連携して、帳票を自動出力できるようになったとしている。
Datapower Cast Iron Applianceは、SaaSなどのパブリッククラウドとオンプレミスのアプリケーションのデータを連携させるアプライアンス。仮想アプライアンスでも提供されている。
ブリスコラはDatapower Cast Ironを実装したことで、今後の新しい業務アプリケーションをクラウドサービスで取り入れる場合にも、GUI画面の設定だけで容易に連携でき、業務プロセスも統合できると説明している。今回の仕組みは、高い拡張性があり、今後のビジネスの成長や変革にも柔軟に対応できるとしている。同社は、今回の仕組みを外販することも検討していくという。