国際的な家電見本市「International CES 2012」が1月10日から13日(米国時間)にかけて米ネバダ州ラスベガスで開催された。
Windows 8やUltrabookなど話題性があるPC関連プロダクトが展示される一方、テレビ関連は話題不足との見方も開催前には出ていた。しかし、韓国勢から55型の有機ELテレビが展示されたほか、タブレットを通じてテレビを操作し、各種ネットワークサービスを利用できるスマートテレビが相次いで展示されるなど、注目の製品に人だかりができていた。
注目集めたWindows 8とUltrabook
今年がCESへの最後の出展と明言したマイクロソフトは、2012年にも発売が予定されているWindows 8をデモストレーション。開発者向けには公開していたが、広くその内容を公開したのは今回が初めてとなった。ブース内では15分おきにWindows 8のデモストレーションを行っていたが、毎回黒山の人だかりとなっていた。
また、Ultrabookでは、日本、米国、台湾などのメーカーから相次いで新製品が展示され、このプラットフォームを業界全体で盛り上げていく様子を示す格好となった。
実際、レノボやデルが新製品をCESの会場で発表。薄型、軽量、長時間寿命、それでいて高性能という進化が図られるUltrabookには高い関心が集まっていた。
あるPCメーカー関係者は「昨年スマートフォンやタブレット端末が普及したが、その結果、特定の用途においてはPCの高性能、操作性が必要だと再認識したユーザーも多かった。そうした流れのなかで登場するUltrabookは、スマートフォンとPC(=Ultrabook)をともに所有し、用途ごとに使い分けるという活用が期待される」と、Ultrabookが絶好のタイミングで登場したことを示唆する。これは業界関係者に共通した意見だといえよう。
新たな家電の世界を見せた韓国勢
一方、デジタル家電や白物家電においては、韓国勢の勢いを強く感じることができた。
サムスンは、55型の有機ELテレビを参考展示。さらにLG電子でも、55型の有機ELテレビを展示し、テレビにおける有機EL時代の到来を印象づけてみせた。
また、韓国、中国、日本のテレビメーカー各社が、スマートテレビを相次いで展示。インターネットサービスを利用した新たな視聴方法の提案や、タブレット端末を利用して、より便利にテレビを視聴するといったデモストレーションを行っていた。ここでは、ハイアール、TCL、ハイセンスといった中国メーカーが、昨年よりもブースを拡大したり、スマートテレビの展示を積極的に行っていたのが印象的だ。