Citrix Synergy 2012をラップアップ--モバイルとクラウドが柱に - (page 2)

大河原克行

2012-05-31 20:25

 Buildでは「CloudStack」を紹介。今回のSynergyでも大きな注目点となったCloudStackのApache Software Foundation(ASF)への寄贈のほか、ASFのプラチナスポンサーになったこと、そしてライセンスの変更、CloudStackから「Citrix CloudPlatform」へのブランド変更などについて触れた。

 「ASFに寄贈してから、CloudStack.orgへのアクセス数は約4倍に、ダウンロード数は約3倍、コミュニティメンバー数は15倍になった。100社以上のクラウドサービス事業者がCloudStackを採用している。日本においてIDCフロンティア、北陸先端技術大学などが採用している」(同社 プロダクトマーケティング ソリューション マーケティング マネージャーの北瀬公彦氏)などとし、その広がりが加速していることを強調してみせた。

  • 北瀬公彦氏

  • Apache CloudStack

  • CloudStackを採用する事業者は100を超えた

  • CloudStack.orgのアクセス数は4倍に

  • CloudStackのダウンロード数は3倍に

  • CloudStackのコミュニティメンバー数は15倍になった

 新ブランドとなるCtrix CloudPlatformは、オープンソースのApach CloudStackをベースにした最初の商用製品となり、XenSrever Advance Editionを包含、NetScalereとの連携を図るという。ブランド変更は即日行われた。

 また、自社のデータセンターとあらゆるタイプのクラウドをセキュアかつ透過的に接続する「CloudBridge」では、新バージョンの「CloudBridge 2」を発表。「データセンターとクラウドを接続して、ひとつのネットワークのなかに存在するような環境を実現。無限のキャパシティと柔軟性と効率を実現できるようになる。メールアカウントをiPadに設定するくらい容易に、ワンクリックでの設定が可能。オンプレミスのデータセンターを、オフプレミスのクラウドインフラに接続でき、パフォーマンスやセキュリティ、透過性を損なわずにデータセンターをクラウドに接続できる。これは6月から出荷することになる」とした。

  • CloudPlatform

  • CloudBridge 2

 さらに、Deliverという領域では、NetScalerの新たなバージョンとなる「NetScaler 10」を発表。「我々は『TriScale Technology』という呼び方をしているが、同じ筐体を使用しながらライセンスを追加するだけで5倍までスケールアップでき、2Uのなかに最大40台のNetScalerを利用できるスケールインの実現、最大32台までのNetScalerを1つのインスタンスとして活用することができるスケールアウトの実現という3つの観点から拡張することができる」(的場氏)という。

 さらに新たなサービスとして「NetScaler 10 for Amazon Web Services」を発表。「現在はテクニカルプレビューとして無償で提供している。ライセンスをCitrixからダウンロードし、AWS上でNetScalerの機能を試用することができる」などとした。

 最後に、Transformへの取り組みとして「Project Avalon」を紹介した。

 「シトリックスが提案する新たなアーキテクチャがProject Avalon。まさに夢のような場所という意味が込められている。今後、企業においては、仮想デスクトップを利用することが当たり前になる時代がやってくる。その時代において、真のクラウドサービスとして提供するのがProject Avalonになる。Windowsアプリケーションとデスクトップを配信するアーキテククチャで、企業のIT部門が企業内およびグループ内に向けてサービスプロバイダーとしての役割を果たすという、これからの変化を支援するものになる」と位置づけた。

 XenDesktopやXenApp、Windows Serverの複数バージョンの混在環境において、プライベートクウラド、パブリッククラウドを問わずにクラウド間を自在に移行、拡張、縮小できるようになるという。これらの機能はできる限り自動化して提供していくことになるという。

 「クラウド環境において、CloudStackの基盤の上にXenDesktop、XenAppを展開。さらに適切に管理するクラウドスタイルのサービスオーケストレーションによって構成されることになる」などとしたほか、「Project Avalonによって、社員の働く環境を容易に実現できる。自社の社員の環境だけでなく、実験環境をパブリックへの構築およびプライベートとの接続によって実現したり、プロジェクトごとに採用する臨時スタッフが利用する環境をクラウドで構築するといったことが自在にできる」などとした。

 2012年後半から、Project Avalonのベータプログラムが提供される予定。今後、同社の様々な製品との連携も行われることになるという。

 「現行製品だけでは足りない部分もあるだろう。製品を集大成して、クラウド時代に必要な環境を提供できるようになる」(竹内氏)とした。

 なお、同社では、2012年7月17日と18日の2日間、東京・芝公園のザ・プリンスパークタワー東京で年次イベント「iForum 2012」を開催する予定。Project Avalonをはじめとして、Citrix Synergy 2012で発表された内容について、さらに詳細な内容を発表する可能性があるという。

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