インターコム、インテック、サトーの3社は小売店ごとに異なる「流通ビジネスメッセージ標準(流通BMS)」の取引データを修正して、統一のデータフォーマットで提供するクラウドサービスを共同で開発した。卸売りやメーカーを対象に、9月からサトーが「Retail COM-PASS」として提供している。3社が9月25日に発表した。
流通業界の電子データ交換(EDI)の標準規格である流通BMSは2007年に発行。流通BMSは業界で統一されたメッセージでありながら、実際には細かなデータの設定について、小売店ごとに独自に解釈されている。そのため複数の小売店と卸売りやメーカーでは、個別にデータを修正したり、システムを改修したりすることはコスト負担や運用上の負荷となっていた。
今回のRetail COM-PASSは、小売店ごとに異なる流通BMSのメッセージの使い方やデータの設定、項目の共通化を図る。卸売りやメーカーの負担を軽減して、流通BMSの導入と運用を支援するという。1ユーザーあたり月額2万円、小売業1社ごとに月額5000円で利用できる。
Retail COM-PASSを通して小売店とデータを送受信することで、小売店ごとに異なるメッセージやデータの設定を修正し、不足している項目は補足して共通のソフトウェアインターフェースでデータを提供する。さまざまなシステムやアプリケーションサービスと容易に連携できるとメリットを説明している。
Retail COM-PASSは、流通BMSを採用する小売店や量販店に対応する。小売店に新店が追加された時も、Retail COM-PASS上で新店を登録するので、卸売りやメーカーによるメンテナンスは不要という。
ユーザー企業からの要望に応じて、インターコムの受注業務システムのサービス提供、値札発行機能を提供するサトーのASPサービス「LABEL-IDENTITI」と連携する。サトーが11月から提供する出荷業務を支援する「大車輪SaaS」とも連携できる。