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誰もが使うSNSだからこそ企業規模と無関係に被害が出る--米ウォッチガード ワンCEO

齋藤公二 (インサイト)

2012-09-27 19:00

 政府や企業を狙ったサイバー攻撃が相次いでいる。近年では、政府や大企業だけではなく、中堅中小企業に対しても攻撃が加えられるケースも増えてきた。

 そんななか、世界的に販売を伸ばしているのがUTM(統合脅威管理)および次世代ファイアウォールの分野だ。中小規模向けUTMが特に好調という米ウォッチガード・テクノロジーズの最高経営責任者(CEO)、ジョー・ワン氏に、近年の脅威の動向や同社の取り組みなどを聞いた。

Facebookを経由した攻撃がこれから増える

 ワン氏はまず、最近の脅威の動向について、SNSとモバイルという2つのキーワードがあるとし、次のように話す。

ウォッチガード・テクノロジーズCEOのジョー・ワン氏
ウォッチガード・テクノロジーズCEOのジョー・ワン氏

「2012年にはどういった攻撃が脅威となるか、年初に予想を発表した。そのなかで最近、特に注意を要すると思われるのがFacebookやLinkedIn、Google+といったSNSを通じた攻撃、そしてスマートフォンやタブレット端末などのモバイルデバイスを通じた攻撃だ。これらは、米国を中心に1〜2年前から問題化しており、日本でも脅威になりはじめている」

 Facebookについては、米国では「よりディープでヘビーな」使い方をしているという。友人との交遊だけでなく、ソーシャルゲーム、高校や大学のイヤーブックとしての利用。さらにはグループやメッセージなどの機能をビジネスで利用することも一般的に行われている。Facebookの活用が広まるなかで、それを悪用する攻撃も増えてきた。

 例えば、友人がシェアした情報や友人から送られてきたメッセージのリンク先がフィッシングサイトだったりするものから、インストールすると情報を盗み取るアプリを装ったマルウェアなどだ。サイト上で「いいね!」ボタンを偽装し、うっかりクリックするとマルウェアに感染するといった攻撃まである。

「日本ではまだライトな使い方が多い。ただ、これからFacebookなどのSNSアカウントを名刺に印刷するなど、ビジネスシーンで本格的に利用されるようになれば、米国で起こっているような被害が国内で報告されるようになる」

スマートフォン向けマルウェアの脅威はファイアウォールの内側へ

 また、モバイルについては、BYOD(Bring Your Own Device:私物デバイスの業務活用)という言葉が注目を集めているように、ホワイトカラーがモバイルデバイスを持ち、企業のリソースにアクセスすることが当たり前になっている。ノートPCよりiPadなどのタブレットを使うというホワイトカラーはすでに半分を超えているとも言われており、企業側が社員にモバイルでのアクセス手段を提供することは「必須の状況」なのだという。

「個人情報を抜き取ったりするスマートフォン向けのマルウェアは世界的に問題になっている。企業で利用する場合は、さらに社外から企業リソースにどのように安全にアクセスできるようにするかが課題になる。マルウェアに感染したスマートフォンから企業情報が漏洩することを防ぐ必要がある」

 FacebookなどのWebベースのアプリケーションは、ウイルス対策ソフトや従来型のファイアウォールだけで防ぐことが難しい。ゼロデイ攻撃に対応しきれなかったり、従来型のファイアウォールではアプリケーションの可視化ができなかったりするからだ。また、モバイルアクセスについては、端末側にVPN接続の機能は備わっているものの、社員が簡単にアクセスできるような仕組みを整えていく難しさがある。

 ワン氏はそのうえで「注意しておきたいのは、こうしたSNSやモバイルを通した被害は、企業の規模とは無関係に起こるということだ」と強調する。もともとFacebookなどのSNSやモバイルデバイスは、コンシューマー向けの製品やサービスであり、誰もが利用するものだ。ITに十分な投資ができない中堅中小企業であっても、大手企業と同じようなセキュリティ対策が求められることになる。

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