自動車部品大手のカルソニックカンセイはグローバルで財務データを統合する「グローバルコード統合システム」を6月から稼働させている。財務データ統合アプリケーション「Oracle Hyperion Data Relationship Management」を活用してTISがシステム構築を支援した。日本オラクルとTISが6月24日に発表した。
カルソニックカンセイは、自動車のコックピットモジュール(CPM)や内装、空調、コンプレッサ、熱交換器、電子部品などを自動車メーカーに製造、販売している。開発・生産体制は16カ国・62拠点に展開している。グローバルビジネスを加速させるために、全拠点の財務データを統合し、経営情報として役立てる仕組みを構築することを決定した。
従来、財務情報に関係するコードの運用は各拠点で定義され、異なるルールで管理されていた。そのため、経営管理情報を把握するには、各拠点のデータを変換、集計する必要があった。グループ全体での情報収集が難しく、拠点別や製品別の損益、機能別コスト評価などの可視化などでも課題があったという。
グローバルコード統合システムでは、グローバルのマスタデータや標準データモデル要件の反映、各拠点データの実力値を中長期戦略にあわせて、段階的に実現するための最適なものとしてHyperion Data Relationship Managementを選択した。同アプリケーションを活用すれば、グローバルコードとローカルコードを体系的に管理できるようになり、財務データ収集の効率性、データの正確性や可視性が向上できるという。
新システム構築では、データ視点で取り組むアプローチで、グローバルからローカルまで同一コンセプトのコード管理体系を整備士、グローバル運用プロセスを構築することを重視。コード統合プロジェクトの実績やマスタデータ管理の導入支援のノウハウなどからTISをパートナーに決めて、共同でプロジェクトを進めた。
現在、稼働している新システムは、拠点と製品、機能別といった3つの軸で意思を決定できるよう、連結経営管理の高度化を目指している。