三国大洋のスクラップブック

「より軽く、薄く、高速に」--iPad Airにみるアップルの愚直さ

三国大洋

2013-10-31 18:03

 11月1日に発売されるAppleの9.7インチタブレット「iPad Air」についての先行レビューが、例によって米主要媒体で一斉に公開されている(日本時間10月30日の正午過ぎ)。

 All Things DのWalt Mossberg、BloombergのRich Jaroslovsky、USA TodayのEdward C. Baig、AnandTechのAnand Lal Shimpi、TechCrunchのDarrell Etherington、NewYork Timesを離れてYahoo! に拠点を移すことになったDavid Pogueといったおなじみの面々が、「より軽く、薄く、高速になっている」「これがベストなタブレット」などと口をそろえて賞賛している。

 22日(米国時間)の発表直後に各所で出されていたインプレッションの内容とほぼ変わらぬもので、それ以外のことを期待する人たちには物足らない、退屈な話かもしれない。一方先行機種(iPad第4世代)の重さや価格が原因で入手を検討しながらためらっていた人には「肩を押す話」と言えるかもしれない(ただし、サイズと値段が違うだけの「新型iPad miniとどちらを選ぶか」という悩ましい問題はもうしばらく残るが、こればかりは自分の手で持ってみて決めるのが一番だろう)。

 既報の通り、名前も新たに「iPad Air」となった新モデルは、2011年3月発表の「iPad 2」以来の大幅アップグレードで、「iPad mini」を一回り大きくしたような縦方向のベゼルが狭いデザインとなっている。AnandTechのレビュー記事には歴代のモデルのサイズを比較した表が載っているが、これを見るとiPad 4が「241 mm x 186 mm x 9.4 mm/650g」に対し、iPad Airは「240 mm x 170 mm x 7.5mm/469 g」だそうである。

The iPad Air Review - AnandTech

 人間にたとえていえば、体重が65kgあった人が47kg弱まで軽くなったことになる。たいそうな「激ヤセ」に間違いなく、普通なら「身体でも壊したか?」となるところかもしれない。

 この「劇的なシェイプアップの秘訣」については、FastCompany.comのCo.DESIGNに「Retinaディスプレイを搭載しながら、これほど軽くできた理由」について推測した記事が掲載されていた(掲載は発表当日の22日)。

How Apple Created The Lightest iPad Yet - FastCompany

 この記事によると、iPad 2のそれに比べて画素数が4倍近くも多いRetinaディスプレイ(2048x1536ピクセル)を駆動するには、それなりに馬力のあるプロセッサが必要で、またそれなりに強力なプロセッサを駆動し続けるにはやはり大容量のバッテリーが必要とされた(それで、iPad 4にはノートPC用並みの42Whの電池が搭載されていた)。

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