今回、Lenovoは、調達力とサプライチェーンの強さが大きく物を言うことが有力な武器になることを繰り返し主張したが、サーバ市場でも価格攻勢を積極的に展開することになるのか。
これについてSanchez氏は明言を避けたものの「以前、自動車メーカーの幹部と話したが、彼らは新モデルの車を発売すると価格を上げられる。だが、コンピュータは、機能を上げると同時に値下げをしなければならない」と話した上で「価格競争力は担保しなければならない」としており、何らかの価格戦略を打ち出してくる可能性は小さくない。
では、日本IBMは今回の提携をどう活かすのか。
Jetter氏は「IBMはPC事業を譲渡した時点で、Lenovoとの戦略的関係は深くなったが、x86サーバ事業の売却で戦略的関係は一層拡充された」と提携の意義を強調。「サーバにも複数あるが、Power Systemsやメインフレームを販売している先でも、多様な技術を組み合わせて利用している例がある。そのようなところではLenovoとともにサポートしていく」(Jetter氏)
ハードウェアとソフトうぇわの両方で高付加価値技術に力点を置くIBMは、サーバ関連でも基本姿勢は踏襲したまま、x86サーバのサポートを温存することで、既存ユーザーとの関係を維持する。実質的にはハイエンドからローエンドまでの守備範囲が依然、存続するような態勢を示すことができる。