日本ヒューレット・パッカード(HP)は3月14日、LTE通信モジュールを搭載したノートPC2機種を発表した。5月下旬から販売する。
発表されたのは、14インチディスプレイを搭載するノートPC「HP EliteBook Folio 1040 G1」(税別価格18万5000円~)と、12.5インチディスプレイ搭載ノートPC 「HP EliteBook 820 G1 Notebook PC」(同16万6000円~)。LTE通信モジュールを搭載することで、閉域網接続を可能にし安全性を確保できるという。
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PCが何らかの攻撃を受けたときに、BIOSを自動で復元する新機能「HP Sure Start」を搭載。NFCリーダーライターによる物理認証、指紋リーダーによる生体認証が可能だ。
Windows 8搭載タブレット「HP ElitePad 900」上で、LANDesk Softwareが提供する機能「ジオロケーションポリシー」を利用できるようにしたことも発表された。ジオロケーションポリシーは、アプリケーション上の地図上に仮想のフェンスを設置し、そのフェンス内のエリアに入ったり出たりした場合に、特定の処理を行う「ジオフェンシング」に対応した。
ElitePad 900を利用する際に、場所に応じてセキュリティポリシーを自動で切り替えるといったことができるようになる。ジオロケーションポリシーは、IT資産管理ソフトウェア「LANDesk Management Suite」とセキュリティ統合管理ソフトウェア「LANDesk Security Suite」のライセンスを購入すると利用できる。日本HPは、このライセンスを4月上旬から販売する。
HP エンタープライズグループ テクノロジサービス ネットワーキング&モビリティ ワールドワイド・ストラテジスト Craig Partridge氏
日本HP エンタープライズグループ事業統括 テクノロジーコンサルティング事業統括 テクノロジーマーケティング本部 ネットワーク&モビリティソリューションポートフォリオリード 大村恵吾氏
米Hewlett-Packard エンタープライズグループ テクノロジサービス ネットワーキング&モビリティ ワールドワイド・ストラテジストのCraig Partridge氏によると、モビリティに関する企業の課題について「PC時代から続いてきたクライアントサーバ(C/S)のシステムを総取り替えすることはできない。C/Sの時代からモバイル、クラウドの時代への橋渡しをすることがモビリティを成功に導くポイントだ」という。
具体的には、キーボードやマウスを使用してスプレッドシートなどを作成し、生産性を上げていくという側面と、クラウドやモバイルを使用して業務プロセスをスピードアップさせる側面を用途に合わせて使い分けることだという。これにより、C/S時代からの生産性を高めるとともにモバイル、クラウドで得られる新たな生産性を活用できるとした。
エンタープライズグループ事業統括 テクノロジーコンサルティング事業統括 テクノロジーマーケティング本部 ネットワーク&モビリティソリューションポートフォリオリードの大村恵吾氏は、モビリティ化に向けて企業が取るべきアプローチについて「今までのIT部門のかたちは、権限を与えて管理するものだった。そのため、管理主義やルールの乱立を招いていた。モビリティ化のスピードに対応していくためには、セルフサービスやBYOD(私物端末の業務利用)などエンドユーザーにさまざまな選択肢を与えて支援するかたちになることが望ましい」とした。
そうした企業の新しいワークスタイル実現に向けて、日本HPはモビリティソリューションも提供する。特徴としては、HP自身がHP製品の最大ユーザーであり、そこで得られた知見や経験、ノウハウを提供できることという。デバイスやネットワーク、ソフトウェア、サービス、エンドツーエンドのモビリティポートフォリオを提供できることも特徴としてあげている。
ITだけでは対応できない部分への対応として、日本HPの本社オフィスをモバイルワークのリファレンスとして公開する。これによりオフィスやファシリティ、人事などのサポートやアドバイスを提供できるとした。