--ビジネスの目的に即していくために必要なものは。
コスト抑制や効率性の向上には無論、注力していますが現状で効率を上げ、それにより生まれる余力で新しい考えを実行に移していく。それがIntelの社風です。経営は全体の舵取りをしていくということですが、エンドユーザーの視点で物事を見ることもまた大切です。例えば、日本のコンビニエンスストアは非常に利便性が高いのですが、店を訪れる客に、より良いサービスを提供しようということに力点を置いたことが、この成功の要因だったのではないでしょうか。
江田氏は自身の仕事にもPCやタブレットとしても使える、“2in1”形式デバイスを利用している。
--日本企業にとってIoTのインパクトとは。
IoTで、さまざまなものがつながる時代は、すぐそこまで来ています。たとえば、店舗などの陳列棚では、店頭で何が売れているかがすぐにわかり、在庫管理にも応用できます。それはほんの一部であって、まだまだ夢が広がる世界があります。となると、幅広いビジネスを展開している日本の製造業は強さを発揮できる可能性があります。
モノ同士が接続される中でビジネス価値が生み出されてきます。産業に精通している製造業だからこそ、できることはたくさんあると思います。全体的な動きは、点より線ということになります。PCやタブレット、スマートフォンなど単体では利便性に限界がありますが、ウェラブルコンピュータが出てきてIoTでつながると、ここで差別化できるのは総合力をもっている企業が強いといえるでしょう。ニーズを拾いやすい立場だからです。
--なぜ、デスクトップPCを再定義しているのか。
日本では、デスクトップPCは非常におもしろい市場となっています。大変コアなユーザーがいて売り上げも十分あり、重要な分野です。
Windows XPサポート終了でデスクトップを導入しようという企業も結構あります。省スペース型が普及していますし、新たな一体型、テレビの画面くらい大きな製品をコンシューマー向けに出しているとか、タッチパネルに対応したWindows 8が出たことで、マルチタッチやさらにジェスチャなど、新しいUXも考えられます。セグメントが活性化していると実感できます。