「ビッグデータは民主化していくことこそが必要であり、そこでMicrosoftが差別化できると考えている。データ分析はデータサイエンティストだけのものではなく、多くの人が利用できるものでなくてはならない。そうした世界の実現を目指していく」
そうした方針を示した沼本氏は「Microsoftは、グローバルでビッグデータへ取り組んでおり、それを支えるプラットフォームを提供している。ITプロフェッショナルに使ってもらえる環境だけでなく、多くのユーザーが使い慣れたExcelを利用して、ビッグデータを扱うことができ、Power BIによる高い表現力と共有が可能になる。Excel、SharePoint、Power BIであらゆるデータをリアルタイムに活用できる環境が実現できる」と同社の強みを強調した。
Windows離れではない
パブリッククラウドのIaaS/PaaSのAzureの現況にも触れた。
「Azureのビジネスはすごいスピードで成長している。Azureのストレージやサーバのインフラは、6~9カ月で2倍以上の勢いで拡大しており、それは継続的なものとなっている。Fortune 500のうち57%の企業が、なんらかの形でAzureにサインアップしている。Azure上で稼働しているストレージオブジェクトは20兆にも達し、Azure上で稼働しているSQLデータベースは100万に達している。1日あたり1000以上の新規顧客を獲得し、Azure上で稼働しているウェブサイトは25万、1時間あたりのAzure Active Directoryによる認証は130億件にのぼる」
“Windows Azure”は“Microsoft Azure”に名称を変更した。これについて沼本氏は「MVP(Most Valuable Professional)などからの要望によるもの。Linuxなどを利用できる環境であるのにもかかわらずWindows Azureという名称はそぐわないという声にあわせた。決してWindows離れではない」ことを強調した。
Microsoftは先頃、“モノのインターネット(Internet of Things:IoT)”向けの新たなサービスとして「Microsoft Azure Intelligent Systems Service」を発表したが、今回の会見で詳細に触れなかった理由は、日本のデータセンターでのサービス体制が整っていないためとした。