日本マイクロソフトは5月1日、法人市場でのWindowsの現状などを解説。会見の冒頭、米MicrosoftのWindowsコマーシャル担当ゼネラルマネージャーのErwin Visser氏は「モビリティで働き方やビジネスが変わっている。だが、モビリティには、セキャリティや管理性、コンプライアンスへの対応といった点で課題があるのも事実。だからこそ、Microsoftはモビリティにフォーカスしている」と切り出してこう続けた。
「Microsoftはパートナーとともに、タブレットや2in1といった新たなデバイスを慣れ親しんだWindows環境で利用できるようにしている。エンドユーザーに対して、イノベーションを促すためのニーズと要件を過去25年の経験から理解しており、企業ユーザーをサポートする体制を整えている」

Microsoft Windowsコマーシャル担当ゼネラルマネージャー Erwin Visser氏
Visser氏はまた「1年半前にWindows 8を投入したことで、タッチ操作ができ、新たにWindowsストアも利用できようになり、ARMチップも利用できるようになった。これらのユーザーの利用実績をもとにWindows 8.1を市場に投入した。ここではより大手企業に適した形に進化させようと考え、ビジネスに最適なタブレットを提供できるようになった」と解説した。
その成果として、日本では、りそなホールディングスが3万台のWindows XPをWindows 8 Enterpriseに移行し、明治安田生命も3万人の従業員のライセンスをWindows 8に移行し、富士通製タブレットの導入を決定したことを紹介した。
Delta Air Linesが乗務員向けにWindows Phoneとともに1万1000台のSurfaceを導入、British Telecom(BT)がWindows 8を搭載したパナソニックのタフブックを導入したほか、社内向けに5000台のWindows Phoneを導入していることを示しながら「大手企業でのWindows 8導入が加速している」と強調した。
大企業が求める信頼性をサポート
Visser氏はWindows 8.1アップデートにも触れた。3つの分野にフォーカスしているという。
「ひとつは、1Gバイトメモリを搭載した低コストのデバイスでもWindowsを利用できるようにした点。64ビットに標準化したいという企業にとっては有効なものとなっている。2つめは、マウスとキーボードに使っているユーザー向けのアップデートとなっていることである。3つめには、大手企業が求める信頼性、互換性についてサポートしている点。現行のハードウェアでの動作は検証済みであり、アプリとの互換性も維持している。すばらしい体験を享受できるようになり、日本のユーザーにも喜んでもらえる」
Visser氏は「Windows 8.1のユーザーは120日間以内にWindows 8.1アップデートに移行してもらいたい。より信頼性の高いセキュリティ環境を実現することにつながる」と呼び掛けた。
会見では、Windows 8.1アップデートを実演。「市場調査の結果、電源ボタンが簡単に見つかるようにスタート画面上に置き、簡単に検索できるようにした。右クリックでメニューオプションが出てくるようにすることで、Windows XPからの操作性を継承した。Windowsアプリをデスクトップ画面のタスクバーにピン止められるように、すぐにアプリを利用できる環境も用意した」と解説した。
Internet Explorer(IE)のエンタープライズモードについても説明。「IE 8のウェブアプリをIE11でもレンダリングできるようになる」
誰でも作れる開発ツール「Project Siena」
企業向けWindowsアプリの開発環境を強化している点にも言及。その取り組み例として、サイドローディングや開発ツールの「Project Siena」(コードネーム)に触れた。
先週発表したサイドローディングは、WindowsアプリをWindowsストアを経由せずに入手できるもので、ボリュームライセンスユーザーは無償で利用できるようになっているという。「サイドローディングを利用することで、会社内のあらゆるデバイスから社内で活用するアプリをローディングできるようになっている」