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クラウドファンディングで目指すマラリア根絶 - (page 2)

Lyndsey Gilpin (TechRepublic) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2014-05-28 07:30

 マラリア対策のために世界で20億ドル近くの助成金を支出しているビル&メリンダ・ゲイツ財団は2006年、Sanariaに対して、独自のワクチン開発を支援するため2900万ドルを助成している。しかし、大金を必要とするプロジェクトを進めるには何年もかかる上、この新たなSporoBotに関する取り組みは、2013年に米国政府からの補助金を受けることができなかった。これは、米国立衛生研究所の補助金予算が削減されたためだ。マラリアに対する社会の認知度を高め、ワクチンに対する補助金獲得のプロセスを早めるため、Sarariaの創設者であるStephen Hoffman博士は、マラリアロボットに関するクラウドファンディング活動を始めることを決めた。

 「われわれは、このプロセスを加速したいと考えている。 これは緊急性が高く、切実な問題だ。 今日も1000人から3000人の子供たちが死んでいるのだから」とHoffman氏は言う。

 Yaroslav Tenzer博士はバイオロボティクスを専門とするハーバード大学の博士研究員であり、ハーバードのバイオロボティクス研究所で製作されているこのロボットの開発者の1人だ。チームがこのロボットの開発を始めてから2年になる。

 「蚊から確実に唾液腺だけを取り出せるようにする必要があるため、全体のプロセスをいくつかのステップに分割している」とTenzer氏は言う。

 Tenzer氏のチームは、さまざまな自動化されたプロセスを持つ部品を作ってはテストしてきているが、まだ確実に動作するプロトタイプはできていない。同氏らが作ったミニモデルは、将来の展望を示すコンセプトだ。Sanariaによれば、これはルーブ・ゴールドバーグ・マシン(訳注:ピタゴラ装置のような、からくりの連鎖で作られたマシン)のコンセプトに着想を得たものだという。

 ロボットは蚊を固定し、持ち上げ、頭部を取り、注意深く唾液腺を取り出し、後から培養し、保存し、ワクチンを作れるように、その唾液腺を回収する。蚊の各体節、足、羽などの性質、特に組織挙動の限界を調べるために多くの研究が行われた。同氏らは当面、マイクロ流体工学(インクジェットプリンタのヘッドやDNAマイクロチップなどの開発に用いられている工学的手法)を用いることに決めた。これによって、コントロールされている閉ざされた環境で唾液腺を取り出すことが可能となる。

 「最初にぶつかった課題は、過去にこれほど小さなものを解剖するようなロボットがほとんど存在しなかったということだ。また、すべてを清潔に行う必要があるのも困難な課題だ」とTenzer氏は述べている。

 マラリアは予防も治療もかなり容易な病気の1つだが、これまでこの病気を根絶できるほど効果の高いワクチンはなかった。この病気は米国では1950年代に根絶されたが、発展途上国ではまだ残っており、特にアフリカに多い。米疾病予防管理センター(CDC)は2010年に、マラリア患者の91%はアフリカ大陸で発生していると報告している。Sanariaは主に、この病気に感染するリスクが最も大きい、アフリカの子供たちに焦点を当てている。

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