1分ごとに、少なくとも1人がマラリアで亡くなっている。
毎年、計約2億人がマラリアに感染し、そのうち60万人がこれを原因に死亡している。マラリアは、蚊が原虫を媒介することによって急速に伝播する。
メリーランド州に本拠を置くバイオテクノロジ企業であるSanariaは、2002年に設立され、17カ国の研究者を雇用しており、世界中のマラリアに関連する死亡例のうち98%の原因となっている、熱帯熱マラリア原虫による感染を世界からなくすためのワクチンを開発したと報告している。このワクチンは弱体化した生きた蚊から唾液腺を採取し、マラリア原虫を含む唾液を入手する手法に基づくものだ。
ハーバード大学バイオロボティクス研究所のYaroslav Tenzer博士は、SporoBotの設計に取り組んでいる。
提供:Sanaria
Sanariaのワクチンは、2013年8月の臨床試験の初期段階で100%の効果を発揮し、マラリアに対する有効な武器になると広く認知されている。このワクチンを製造するには、蚊がマラリアに感染した血を吸った後で、生きたまま放射線によって弱体化させる必要がある。そして、実際にワクチンを注射するまで、原虫を生かしておくという点が重要になる。
現在、Sanariaの研究者は1時間に最大1000匹の蚊から唾液腺を採取することができる。Sanariaの製造設備はまだ臨床試験の初期段階にあるが、今のところこの作業は手作業で行われている。これは、1年あたり最大2500万匹までしか原虫に感染した蚊を解剖できないことを意味している。
問題は、この速度ではマラリアの感染者数を減少させるには十分ではないということだ。このプロセスを加速するため、Sanariaは「SporoBot」を開発している。これは、マラリアのワクチンをより効率的に、低コストで製造するためのロボットだ。SporoBotは1台は人間の20倍から30倍の量のワクチンを作ることができ、1年に約6億2500万匹の蚊を処理できる。同社は実際に動作するプロトタイプを作るために、Indiegogoで25万ドルの資金を獲得して、開発資金の一部にしようとしている。
マラリア原虫に感染した蚊から、手作業で唾液腺を採取するSanariaの研究者。
提供:Sanaria