今週の明言

アクセンチュアが「成長市場」日本に注力する理由 - (page 2)

松岡功

2014-08-29 16:00

 グローバル企業ならではの見解である。日本企業はこうした「外」からの見方も大いに参考にすべきだろう。

「企業にとって将来を予測する精度の向上が競争力の源泉になる」
(SAS Institute Japan 北川裕康 マーケティング本部兼ビジネス推進本部 本部長)


SAS Institute Japanの北川裕康 マーケティング本部兼ビジネス推進本部 本部長

 SAS Institute Japanが先頃、ビッグデータから将来を予測するビジュアルモデリングソフトウェア「SAS Visual Statistics」を国内で提供開始すると発表した。北川氏の冒頭の発言は、その発表会見で、企業が同製品を導入した際のメリットを端的に表したものである。

 SAS Visual Statisticsは、既存のビジュアルデータ探索ソフトウェア「SAS Visual Analytics」と組み合わせて利用するオプション製品で、アナリティクスからの洞察によるビジネスへの貢献をさらに高めるために、予測モデル開発のスピードと正確性を向上させたのが特徴である。同社では「予測型アナリティクス」製品と位置付けている。

 北川氏によると、「企業がデータ分析を実施する場合、現状ではビジネスインテリジェンス(BI)やデータ探索ソフトウェアが使われているが、これらは過去の動きや関係性がどうなのかといった分析が中心だった。しかし、これからは予測アナリティクスによって、将来の動きを予測することが非常に重要になってくる。そうした不確定な将来に対する判断の精度を上げるということでは、予測アナリティクスが非常に有効な手段になる」という。

 同社がSAS Visual Statisticsの設計思想としてこだわったのは、ユーザー対象として統計解析専門家だけでなく、ビジネスユーザーにも利用できるものにすることである。このため、SAS Visual Analyticsと共通のGUIによって直感的な操作での予測モデリングを可能にしたとしている。

 その結果、例えば今後6カ月間に解約しそうな顧客を特定しアクションにつなげるといった操作をしたいマーケティング担当者、どのような要因が将来の障害や品質の悪化につながるかを予測しダウンタイムの最小化を図る品質管理担当者、顧客ごとのリスク要因を考慮した貸し倒れ確率を推定する金融リスク担当者などもユーザー対象としている。

 北川氏の冒頭の言葉通り、将来を予測する精度を向上させることは企業にとってまさしく悲願である。投資効果を踏まえてどのような導入事例が出てくるか、注目しておきたい。

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