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「面」のコミュニケーションが柔軟で耐性のある組織を作る--VOYAGE GROUP宇佐美氏 - (page 3)

吉澤亨史 山田竜司 (編集部)

2014-09-04 17:35

 CREEDは評価の仕組みにも組み込まれています。半年に1回、評価軸の一つにCREEDの実践度を測る制度があります。CREEDを意識する機会を普段からオフィシャルで作っているわけですね。また、CREEDが書き込まれたカードを社員に持たせていますし、会議室にもCREEDが貼ってあります。向かうべき目標や方向性は事業レベルで違いますが、仕事をする上でベースとなる価値観は変わりません。価値観が共通言語になっているわけです。

--社内コミュニケーションを活性化させるために実施していることは。

 会社がコミュニケーションツールを用意しても、なかなか活用されなければ意味がありません。そこでVOYAGE GROUPでは、情報共有のツールとしさまざまな要望がある中で、情報を1つのの基盤に集約することを意識しており、グループウエア「サイボウズ ガルーン」をオフィシャルなツールとして利用しています。総務や経理、社長からのお知らせといったオフィシャルなアナウンスはガルーンのみでしか発信せず、そのツールを使わざるを得ない状況を作っています。ベースを決めることで、必然的にガルーンを見る人が増え、さまざまななやりとりが発生しています。

 社内コミュニケーションの活性化はシステムだけでなく、カルチャーの問題であると考えています。部分最適と全体最適のバランスはありますが、それよりもVOYAGE GROUPとして何をしたいのかという、価値観の部分を社内に浸透させていくことに取り組んでいます。そのために、いろいろな事業部があってもコミュニケーションは誰とでも取れる。それが壁の低さにつながっているのではないかと思います。

 例えば営業の例がわかりやすいのですが、新卒社員が初受注するとみんなでお祝いをします。また、目標達成のときに、コメント欄に「おめでとう」と書き込み、それに多くの社員がレスをすることも日常です。マンガ仕立てのお祝いもありますし、写真を引っぱってきて1つの作品としてレスをつけることもあります。アスキーアートも多いです。VOYAGE GROUPではそういう文化が長く続いています。


マンガ仕立てのお祝い

 また、社員は、サイボウズを使って日報を書いています。強制ではなく、個人のスタイルで自由に管理するようにしているのですが、サイボウズを使った情報発信に慣れているというのはあります。社員がそこに「スタートダッシュの賞」「新人賞」といった目標を書いて、それに対してコメントするという文化が以前からありました。「この空間ではそういうことをしていいんだ」という空気感がベースとして作られています。

 読まれるという意識が前提にあると、書き手も書き方を考えるようになります。サイボウズに全移行した当時、最初はギクシャクした部分もありましたが、私が社員全員にコメントしていくことで、書き込みをしやすいライトな雰囲気を作っていきました。また、新卒社員は書くことで先輩が応援してくれるというメリットもあります。その社員が1年経って新卒社員が入ってきたときには、同じように後輩にアドバイスします。その積み重ねで文化が育まれた感じですね。

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