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デジタルバリューシフト

ワークスタイル変革の現在地--従業員価値最適化にはデジタルテクノロジが必要 - (page 4)

千葉友範(デロイト トーマツ コンサルティング) 林 大介(デロイト トーマツ コンサルティング)

2014-10-08 07:00

CINO(Cheif Innovation Officer)を設置しよう

 一般的に、ワークスタイル変革には多くの狙いがあるが、その中でも最も注目されている人材の維持・獲得について述べてきた。創造を促し、多様性を許容する企業カルチャー作りには相応の時間がかかるが、今始めなければいつまでも手に入れることができない。そこで筆者らが推奨する最初の一歩は、CINO(Cheif Innovation Officer)を設置することである。最高情報責任者(CIO)と区別するために本稿ではCINOと表記する。

 最高革新責任者、もしくは最高創造責任者と表現できるCINOは、ワークスタイルに直接関係のあるデジタルテクノロジの導入はもちろんのこと、関連する人事制度やオフィス環境にまで影響力を与える存在であるべきだ。情報システム部門と人事部門、そして総務部門が別々にワークスタイル変革を検討したとしたら、どれだけの不幸が待ち受けているか容易に想像できる。

 オフィスはフリーアドレスであるが、セキュリティ確保のためにチェーンでつながれたモバイルPCや、在宅勤務制度は整備されているが、そのモバイルPCを持ち帰るためには、いくつもの申請をしなければならないなどという状態は、笑い話ではなく実際にあり得るストーリーだ。変革を進めるためにはトップダウンの強い意志と統合的なデザインが不可欠である。

 ただ、企業のあり方に大きな影響を及ぼす存在が、CINOという1人の人間であって良いのかという議論はあるだろう。最高財務責任者(CFO)の組織化やデータサイエンティスト集団のような考え方にならい、組織でCINO機能を実現するという手段が当面の現実解と言えよう。

CINOの4つのミッション

 ワークスタイル変革を先導するCINOには主に4つのミッションを持つことになる。簡単に言えばどれも従業員価値に直結するミッションである。順に解説していこう。

(1)多様性の確保

 CINOは組織の人員配置に関して、できるだけ多様性を持つようにすることを心がけねばならない。多様性とは人種の多様性だけではなく、男女、年齢、価値観、業務のスタイル、就業形態などあらゆる多様性を考慮する。多様性のある組織は考えの偏りが減り、より創造的な組織になるだろう。

(2)労働付加価値の向上

 CINOは従業員のイノベーションスキル向上の機会を提供することにコミットする必要がある。オープンな企業文化を醸成し、アイデアをどんどん共有してさらに発展させていくような風土作りを、長期的な視点で手がけなければならない。また、積極的な社外の人材との交流を奨励し、それを業績として認めるなどの制度設計にも影響力を与えるべきであろう。

(3)育成機会の確保

 CINOは従業員が持つさまざまなスキルを、他の従業員に伝承する機会も設計する必要がある。そのためのコミュニケーション基盤や、ナレッジシェアの仕組みを構築することもミッションに含まれる。それらはシステム(ソフトウェア)の枠だけではなく、オフィス空間(ハードウェア)についても考慮しなければならない。従業員が自然に行動を起こす「演出」が非常に重要だ。

(4)効率化の追求

 CINOは従業員により創造する時間を与えるため、ルーチンワークについては大幅に短縮することを約束しなければならない。IT化による作業の自動化、プロセスの見直し、場合によっては不採算事業からの人員撤退を提案することもあるだろう。CINOは社内のクリエイティビティリソースの舵取り役を担うことになる。

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