システムをシンプルにすることを強調
Fox-Martin氏は「高度なビジネスプロセスを実現するのに必要な複雑さを、シンプルな方法で管理すること」と説明した。
Enslin氏は「シンプル化のメッセージは、すべてのSAP技術をクラウドに移行させるというSAPの望みでもある」と述べる。HANAをプラットフォームとすることでアプリケーションスタックレベルでのシンプルさを実現し、クラウドを利用したソフトウェアやソリューションの提供を行う、これがSAPの提案だ。「SAPは、HANAを土台としたクラウドカンパニーだ」(Enslin氏)。
世界経済の動向からも明らかだが、APJは今後も成長が期待されている地区であり、SAPにとって重要な市場となる。Forbesが発表した2014年版の「Forbes 2000」では、APJ地域の企業が670社以上を占めた。現在、APJには5億人の中産階級がおり、これは欧州連合(EU)の全人口を上回る。2030年には世界の中産階級の3分の2をAPJが占めるという予想もある。
そこでFox-Martin氏が強調したのが、「C世代(Generation C)」として1990年以降に生まれた人たちだ。Cは「Connected」を表し、子どものころからインターネットを使ってきた世代を指す。じわじわと労働力人口に入っている。次の世代の中心となり、トレンドを作っていくと予想される。企業はこの世代に向けた環境設備も要求される。