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アジア太平洋日本の拠点が25周年--SAPの「クラウドカンパニー」への舵取り

末岡洋子

2014-10-31 07:00

 ドイツのSAPは10月23日と24日、シンガポールで「SAP Asia Pacific Media Summit」を開催した。アジア・パシフィック・日本(APJ)に拠点を立ててから25周年を記念した初のメディア向けイベントとなり、SAPの幹部が同地域でのSAPのビジネス動向や戦略について語った。

HANAとクラウドによるシンプル化をAPJでも

 創業42年のSAPが、初のAPJの拠点としてシンガポールとオーストラリアに進出したのが1989年、今年で25周年を迎える。日本には1992年に法人を設立しており、日本法人は1996年、初めて米国外で年次イベント「SAPPHIRE」を開催した。顧客が増えるとともに、SAPも従業員を増員し、売り上げを増やしていった。

 APJの売り上げは2005年に10億ユーロ、2011年には20億ユーロを達成している。そして、従業員数は1万人台を上回った。リサーチセンター、イノベーションセンターなども持ち、APJ顧客のニーズをくみ取る。例えばクラウド関連製品の多くはインドで開発されているとのことだ。

 10月中旬に発表した第3四半期の決算報告では、APJの売り上げは2ケタ成長を維持した。成長をけん引しているのは、クラウドとHANAで、ともに「3ケタ単位で成長した」とAPJ担当プレジデントのAdaire Fox-Martin氏は胸を張る。

APJ担当プレジデントのAdaire Fox-Martin氏
APJ担当プレジデントのAdaire Fox-Martin氏

 顧客事例として、三井情報(MKI)が「HANA Enterprise Cloud」を利用した予測分析の提供を開始したほか、シンガポールを本拠地とする通信事業者SingTelが、組織とビジネス構造の改善のために「SuccessFactors HCM Suite」を採用することなどが発表された。SingTelは、SuccessFactors Employee Central、SuccessFactors Employee Central Payroll、SAP Jamなど包括的にソリューションを導入する大きな事例となる。

 SAPはHANAを土台に敷いた新しい業務アプリケーションの形を提唱しているが、この戦略はAPJでも同じだ。

 2005年から2007年まで日本法人の社長兼最高経営責任者(CEO)を務め、現在グローバルセールス担当プレジデントを務めエグゼクティブボードメンバーでもあるRob Enslin氏は「トランザクション処理と分析処理の両方を実現するHANAプラットフォームにより、ユーザー体験を簡素化し、容易に活用できる次の世代のアプリケーションやサービスを形作ることができる」と述べる。

 同時に顧客に提案しているのがシンプル化だ。企業が収集する情報量が増えており、複雑さが増している。「複雑さを緩和し、単純にビジネスを動かす必要がある」とFox-Martin氏は説明する。シンプルさとは、ソフトウェアおよびビジネスプロセスとのインタラクションの部分であって、ビジネスプロセスそのものが複雑であることには変わらない。

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