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他社との連携で「アビームクラウド」を積極展開--アビーム岩澤社長 - (page 3)

大西高弘 (NO BUDGET) 怒賀新也 (編集部)

2014-11-06 07:30

常に変化する顧客ニーズとコンサルタントの資質

 社長就任から5年経過し、クラウドサービスの台頭を含めてアビームの置かれている環境は大きく変わってきている。顧客の変化などについて気付いた点などを聞いてみた。

 「個々のコンサルタントに対する評価というもののほかに、チームとしての評価基準が上がってきているように思います。チームとして、必要な人材を素早く動員できるか、変化に対応できるか、といったところですね」


 さらに岩澤氏は、ITコンサルタントに求められる資質についても言及する。

 「顧客の業務にもITにも精通していなくてはならない、そんなことをよく社内で話しています。これは、もともとうちの“エース級PM”を任せられる人材が持っている資質でした。しかし、現在ではコンサルタント全員がこの能力の獲得に磨きをかけていかなくてはならない時代なのです」

 岩澤氏は、この求められる資質について、最近のIT環境の変化が影響していると話す。

 「ITと業務プロセスが一体化してきている。例えばモバイルを使ったCRMなどは、モバイルが単なるツールではなく、業務プロセスの中の重要なファンクションの1つになっているわけです。これは、これまで人の手でやっていたプロセスの一部をITに置き換えるというのとはまったく別の考え方が必要です。そのためには、顧客が求める業務の仕組みとITの仕組みを同時にとらえられなくてはならない。つまり、業務にもITにも精通していなくてはならないのです」

 既存の業務のムダを省いたり、時代に合ったプロセスにしていき、それを効率良くIT化していくというのが、これまでのITコンサルタントの仕事の中身であり、これからもそのスキルはより高いレベルで求められる。しかし、ここにきて違うアプローチが必要になるケースも出ているということだろう。岩澤氏は「人と人とをつなぐ仕組み」と表現している。

 「人と人とをつなぐ仕組み」は、既存の業務プロセスとしてはあまりないものだ。コンサルタントの顧客にとっても、これまでやったことのないことをモバイルというITを使って仕組み化する場合は、新しい業務プロセスをITによって作っていく作業になる。人手を使って行ってきたこれまでの既存業務をIT語に変換する、という発想ではとても対応できない。

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