三国大洋のスクラップブック

サムスンの競争相手へ--中国シャオミの台頭で思う“時流に乗ったもの”の勢い

三国大洋 2014年11月11日 06時30分

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 Xiaomiという中国のスマートフォンメーカーに関する話題を扱ったニュースがここにきて目立つようになっている。

 第3四半期の世界スマートフォン出荷台数でXiaomiが全体でもSamsung、Appleに次ぐ3位に浮上していたことが、10月末に発表された米調査会社IDCのレポートで伝えられた(表1)。それと前後して、同社が400億~500億ドルの評価額で新たに増資を進めようとしているとのニュースがReutersやBloombergで流れ、その直後に今度はWSJで同社の財務内容を伝えたニュースが報じられていた(おそらく、増資に向けた「補強材料」だろう)。

表1:7~9月の世界スマートフォン出荷台数(IDC調査)
出荷台数(万台)前年同期比シェア(%)
Samsung7910 8.2%減23.8
Apple3930 16.1%増12.0
Xiaomi1730211.3%増 5.3
Lenovo1690 38.0%増 5.2
LG1680 39.3%増 5.1
表2:7~9月の中国スマートフォン市場シェア(Canalys調査)
シェア(%)前年同期シェア(%)
Xiaomi16 5
Samsung1421
Lenovo1313
Huawei 9(不明)
Coolpad 9(不明)
BBK Communication(Vivo) 6 2
Apple 5 6

 さらに米国時間11月7日には、第3四半期の中国スマートフォン市場でXiaomiが2四半期連続の出荷台数シェア首位を維持し、同社のシェアも前年比で3倍増になったという調査会社Canalysのレポートが発表されていた(表2)。そしてこの週末(米国時間11月8日)には、増資の目標額が15億ドルで、評価額は400億ドル超になる可能性があるとの話もCNBCで報じられていた。

 Xiaomiは2010年に創業、翌年に最初の製品を出荷したというかなり新しい企業。その名前を英語のニュース媒体でボツボツ目にするようになったのは、おそらく2年半くらい前のことで、そのころは「MI-Oneという機種が毎月50万台くらい売れている」「同製品の発売時には30万台を超える予約が殺到(略)オンラインストアで新たに発売された15万台はわずか13分で完売」といった話がもっぱら目を惹いていた。「無数に存在するとされる中国メーカーの中でちょっと毛色の変わったところが出てきたようだ」といった採り上げ方がもっぱらだったかと思う。

 Xiomiに対する認知が「少し変わったかな」と思われたのは、昨年8月末にHugo Barraという元Google幹部の移籍が明らかになった時のこと。Android開発チームのナンバーツーが、Googleを辞めてわざわざ移る気になったというのは、よほどのことで、それだけの魅力ある何か(成長の可能性など)がおそらくXiaomiにあるのだろう…。そうした感じが伝わってきていた覚えがある。

 そのBarraが率いる格好でXiaomiはインドネシアやインド、ブラジル、ロシアといった海外新興市場への進出(準備)を進める一方で、今年前半には(iPadと見た目がそっくりな)タブレット端末やセットトップボックス、フィットネスバンド(アクティビティトラッカー)など新しいカテゴリの製品も発表してきている。

 スマートフォンについても上位ラインの「Mi」シリーズに加えて、「Redmi」という低価格製品も投入し、この下位機種(100ドル超という値段で販売されているらしい)が「出荷台数の押し上げに貢献した」といった話も8月初めに流れていた。上位機種の最新モデル「Mi 4」の価格は1999元(約325ドル)~だという。

3%台に押さえた販管費--希少感を生み出すフラッシュセールス

 「他社のAndroid端末と遜色のないスペックをもった製品を半分程度の値段で売りさばく」「儲けは付帯するアクセサリやオンラインストアでのコンテンツ販売、それにグッズ類などの販売で稼ぎ出す」「販売経路を自社のオンラインサイトに絞り、無駄な流通在庫は持たない」……。Xiaomiについてこれまで出ていた記事には、同社のビジネスモデルについて、そうした説明があるものが多かった。と同時に、同社が薄利多売で、まずはインストールベースの拡大を優先しているとの見方が大半を占めていたかと思う。

 ハードウェアを“トロイの木馬”的に使い、その“窓口”を通じて販売する付帯物(コンテンツなど)で稼ぐというやりかたには、KindleやKindle Fireを提供するAmazonのそれと似たところが感じられた。ただ、Xiaomiの場合は、この“稼ぐ”部分がどの程度まで育ってきているのか、というのがこれまで不明だった。

 Xiaomiの増資の動きについて触れたBloombergの記事(米国時間11月4日付)に「同社には500億ドルもの価値が本当にあるのか(“Is Xiaomi Really Worth $50 Billion?”)」との見出しが付されていたのは、そうしたことと関係していると思われる。この記事には、「Xiaomiが400億~500億ドルの企業価値(評価額)を実現するには、低マージンの端末販売を利益率の高いソフトウェアやサービスの販売につなげる方法を見つけ出す必要がある」とするCounterpoint Researchアナリストのコメントもある。

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