両者の区別を単純化しすぎていることは筆者も分かっている。誰もが両方の価値をデータに求めている。だが、その根底にある概念によって、データベースの変化と結合の形が解明される。SQL Serverでキーバリューペアを、高速インメモリクエリ用のカラムストアとともに利用できる。「JSON」クエリエンジンを「MySQL」に追加して、データをアプリのAPIに変えることができる。この2つは非常に伝統的なリレーショナルデータベースだが、通常NoSQLと見なされる機能を備えている。
NoSQL側でもさまざまな変化が起きている。銀行や金融業界は、「Couchbase」のような高速インメモリNoSQLシステムを中心に取引プラットフォームを構築しており、独自のクエリ言語を追加しなければならない。元のNoSQLシステムの非構造化データの世界から、金融業界の根幹をなす構造化データへの移行に伴い、NoSQLエンジンに大規模な変更を施し、高度にチューニングされたニアリアルタイムのデータエンジンに変えることが必須になっている。
NoSQLとSQLを融合させることは理にかなっている。それにより、自社のプロジェクトに適したあらゆる方法でデータを保存し、使用するエンジンを選ぶことができる。SQL Serverを使ってキーバリューストアを保持するのか、複雑なクエリセットをCouchbaseに組み込むのか、CRUD APIをMySQLと連携させるのか、といったことは重要ではない。職務を遂行する上で必要な結果を得られるということが重要だ。
現在はデータベースの歴史における興味深い転換期であり、エンジン、API、クエリタイプ、データスキーマを豊富な選択肢の中から選ぶことができる。それらすべてを組み合わせれば、データベースの未来は興味深いものになる。データベースはこれからもビジネスプロセスの中心であり続け、業務に必要な時宜を得た情報を提供してくれるだろう。さらに、データベースは、世界の大部分を自動化している機械学習AIを動かすエンジンでもある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。