カスペルスキーは12月18日、スマートフォンやタブレットなどモバイル端末向けの法人用セキュリティ製品「Kaspersky Security for Mobile」の販売を開始した。税別価格は最小構成の10クライアントで6万4800円。法人を対象とし、パートナー企業経由で販売する。
Security for Mobileは、多層防御の仕組みでAndroid端末をマルウェアの感染から防ぐだけでなく、フィッシングやそのほか危険サイトの脅威にさらされているiOS端末も保護する。運用管理を容易にするため、システム管理者によるセキュリティプログラムの設定配信やイベント管理、紛失盗難時に対応するためのリモートロック、リモートワイプ機能などを搭載している。
Android向けのマルウェア対策では、ファイルや新しいアプリをスキャンし、リアルタイムで端末をマルウェアの感染から防ぐ。従来のウイルス定義データベースのほかにヒューリスティック技術やクラウドサービスなど複数の仕組みを活用している。
AndroidとiOS向けでは、危険なウェブサイトへのアクセスをブロックする。アダルトやギャンブルなど、管理者が予め指定したコンテンツを含むサイトに従業員がアクセスできないよう設定できる。
Android向けでは、端末を紛失したり盗まれたりした時にリモート操作で端末をロック、GPS追跡機能で端末の位置の特定が可能という。リモートから全て、または選択したデータを消去できるほか、SIMが差し替えられた場合は、新しい電話番号を管理者に通知するなどのSIM監視機能も備える。
Android向けの機能として、アプリをコンテナ内に配置することで起動時のユーザー認証を設定し、アプリのデータを暗号化できる。ほかのアプリへのデータ転送の制御、アプリからのネットアクセス制限が可能で、セキュリティが確保された環境で業務アプリを使用できる。
Android端末でのルート化、iOS端末でのジェイルブレイクを検知できるようになっており、管理者に通知され、管理者は素早く適切な対応を取れるようになっている。
今回の製品は、これまで提供していたスマートフォン向けセキュリティ「Kaspersky Endpoint Security for Smartphone」の後継になる。従来製品は、2014年12月24日をもって提供を終了する。今回の製品は、モバイル端末、PC、サーバなど主要なエンドポイントを保護する「Kaspersky Endpoint Security for Business Select」のライセンスで利用できる。
Kaspersky Security for Mobile(カスペルスキー提供)