Windowsタブレット利用率上昇--モバイル端末の運用、情報流出に強い懸念

NO BUDGET

2015-01-20 17:29

 IDC Japanは、企業がどのようにスマートフォンとタブレットを活用しているのか実態を調査、1月20日に結果を発表した。OSで見ると、スマートフォンはiOSが71.6%、Androidが57.3%、Windowsが10.0%、タブレットはiOSが73.6%、Androidが34.5%、Windowsが24.9%となった。

 タブレットでのWindowsの利用率は2013年に実施した前回調査の17.3%から大きく上昇しており、Windowsタブレットが浸透し始めていると説明。Androidは前回調査の42.2%から大きく下落している。利用している業務内容としては、メールやスケジュール管理、情報の共有が中心で、販売管理や在庫管理、顧客管理、会計管理というような基幹業務での利用はまだ少ない状況。

 モバイル端末の管理では、モバイル管理ソフトウェアやクラウドサービスを使って管理している企業が60.4%、表計算ソフトウェアなどでインベントリ情報など簡易的な管理にとどまる企業は21.6%、その他1.2%、全く管理していない企業は16.8%となった。

 この比率は企業規模別にみると格差が大きく、従業員1000人以上では約80%の企業がモバイル管理ソフトウェアやクラウドサービスで管理しているのに対し、従業員100~999人未満では簡易的な管理か全く管理していない企業が約50%、99人以下の企業では約60%を占める。中堅中小企業でのモバイル管理に対する意識の低さが表れる結果と表現している。

 運用での懸念点を見ると、「盗難や紛失による情報漏洩」が40.0%、「ウイルスや不正アプリケーションによる情報漏洩」が32.4%、「SNSの利用による情報漏洩」が16.4%となり、情報漏洩に対する懸念が最も大きい。

 「運用管理の作業負担が大きくなる」や「既存の業務システムとの連携が難しい」などIT管理での課題も出ている。「私的利用を許可する基準や範囲が定めにくい」や「業務用と私的利用のアプリケーションやデータを区別した管理が難しい」など、業務利用と私的利用の区別が難しいという課題も顕在化してきている。同社では、私的端末の業務利用(Bring Your Own Device:BYOD)の実現には、このような課題を解決していく必要があるとしている。

スマートデバイスの運用で懸念している点
(IDC Japan提供)

 同社ソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーの入谷光浩氏は以下のようにコメントしている。

 「企業がモバイルの活用度を高めていくためには、管理レベルを向上させ、セキュアな利用環境を構築していく必要がある。特に中堅中小企業はモバイル管理に対する意識を高めていかないと、情報漏洩で企業の存続に関わる事故につながってしまう恐れがある。これからはモバイルアプリケーションを業務で利用する機会が増えていくとみられ、デバイスのみならずアプリケーションとデータ/コンテンツの管理までを可能とするシステムをハード面とソフト面(運用ポリシーなど)の両面で構築していくことが重要になる」

 2014年10月に国内の企業と組織のIT部門を対象にアンケート形式で調査。スマートモバイルデバイスを業務で利用している250社から有効回答を得た。

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