パイオニアは3月26日、日本や中国、タイなどの生産拠点での調達、生産、品質、物流領域でのグローバルサプライチェーン管理(SCM)システムを導入すると発表した。2016年1月から順次稼働する予定。
スウェーデンのIFSの統合基幹業務システム(ERP)パッケージ「IFS Applications」やNECのグローバル需給調整ソフトウェア「Witleaf」、「NEC Cloud IaaS」などを活用し、NECが構築する。NECグループの工場で生産革新活動を実践してきた幹部人財である“匠”がサプライチェーン全体の最適化に向けたストックポイント設計などを支援する。
サプライチェーン全体最適化に向けたグローバルSCMシステム(NEC提供)
自動車業界は新興国を中心に継続的な成長が見込まれており、先進国では自動車のIT化やコネクテッド化、自動運転に向けた取り組みが進められている。カーナビゲーションシステムやカーオーディオといった車載機の新車販売時の純正装着やディーラーオプション装着の比率が高まりをみせるなど、カーエレクトロニクス製品の市場環境も大きな変革期を迎えているという。
パイオニアでは、新システムでグローバルでの業務プロセスやシステムを標準化し、新製品・生産拠点立ち上げの迅速化やPDCAサイクルのスピードアップを実現していく。特に、グローバルで成長が見込まれるOEM市場で自動車メーカーやメガサプライヤーにとってなくてはならないキーサプライヤーとなるべく、市場環境の変化への対応力強化を図っていくとしている。
NECは、製造業のさまざまなものづくりの課題を解決するため、NEC自身が展開してきた生産革新活動やサプライチェーン改革のノウハウを“ものづくり・業務プロセス”と“ITシステム・アセット”という2つの視点から提供する「NEC ものづくり共創プログラム」を展開しており、今回のパイオニアからの受注は取り組みの成果に位置付けられている。