変わりつつある日本の企業文化
会場からは、Ellison氏の京都での過ごし方に関する質問が飛び、これに対して、Ellison氏は「京都が大好き。年に数回、京都に訪れている。ここでは庭園の美しさよりも、私がそれをどう感じることができるかが大切。水の音、早朝の鳥のさえずり、肌に湿度を感じることで安心感につながる。私は普段、世界に出て競争しており、安全ではない生活を送っている。リスクを背負っている。安心感を求めて落ち着きを感じたいとき、謙虚な気持ちになりたいときに京都に行っている」と述べた。
日本人の謙虚さはどんな影響を与えるのかという点については、「日本人はノーといわないと言われるが、それは文化的に理解できる。会議で唯一発言できるのは年上だったが、これも変わってきている。文化はゆっくりと変化する。北米では売り込むことは当たり前だが、日本では売り込みすぎると、丁寧ではない、謙虚ではないと見られる。いまの日本を見た限り、物事は変化している。新たな世代の起業家は変化している。日本は適合を繰り返してきた。挑戦してほしい」とした。
「Oracleはベンチャーキャピタルを使ったことがない。かつては、ハードウェア会社に投資したが、ソフトウェア会社に投資しないためだった。だが、いまは起業家の会社の玄関口で投資をしたいというベンチャーキャピタルが列を作っている。アントレプレナーよりもベンチャーキャピタルの数の方が多い」などと語った。

聞き役を務める楽天 代表取締役会長兼社長 三木谷浩史氏(左)