ANA、日立が管理するプライベートクラウドを利用--運航系や整備系などを移行

NO BUDGET

2015-07-15 15:45

 全日本空輸(ANA)は、新たなITインフラ環境としてプライベートクラウドの利用を開始した。2019年までに運航系システムや整備系システムなどANAグループの大半の業務システムを同プライベートクラウド上に順次移行していく。

 プライベートクラウドの活用でシステムの効率的な運用と、コスト削減が可能になると見込んでいる。プライベートクラウドを構築、提供する日立製作所が7月14日に発表した。

 ANAのプライベートクラウドは、日立製作所が構築し、日立がANAに対し従量課金制のPaaSとして提供する。その基盤には、統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」やディスクアレイシステム「Hitachi Virtual Storage Platform」、統合システム運用管理「JP1」など日立のプラットフォーム製品を採用、日立のクラウド「Hitachi Cloud」の提供を通じて培ってきたシステム構築ノウハウが活用されているという。

 ANAグループでは2014~16年度中期経営戦略で2011~2016年度の累計で1360億円のコスト削減を目指しており、ITコストの見直しや生産性の向上に向けた構造改革に取り組んでいると説明。日立は、そのANAグル-プに対してITリソースの柔軟かつ効率的な利用を実現するプライベートクラウドの導入を提案し、採用されたと説明している。

 ANAでは今後、これまで各部門が個別に構築し、運用管理していた各業務システムの大半を、今回のプライベートクラウド上に統合、集約していく。これにより、各業務システムの要件に応じて、最適な性能、容量、信頼性を備えたITリソースを必要な時に必要な量だけ柔軟に利用し、ITインフラの運用管理にかかる業務負荷やコストを低減できるとしている。ANA取締役執行役員の幸重孝典氏が以下のようにコメントしている。

 「ANAグループは航空業界の厳しい競争を勝ち抜き、さらなる成長を実現するために、ANAの新たなハイブリッド型データセンターを支えるITインフラ環境として日立のプライベートクラウドを採用した。日立は、高性能で高信頼な製品とこれまで培ってきたシステム構築に関する技術力でANAグループの重要な経営基盤となる大規模システムの構築を短期間で実現した。今回のプライベートクラウドとさまざまなパブリッククラウドをハイブリッドに活用することで、従来以上にコスト削減に取り組んでいくとともに、業務の質を高めることによって、安全と満足度向上を実現するきめ細やかで高品質なサービスを提供する。今後も、日立の力強いサポートを期待している」

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