攻める情シス

「攻める情シス」はデータ活用で課題を解決する“サービス型”に変われる - (page 2)

有我篤行 2015年07月24日 07時30分

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まずは封印していた能力の解放から

 情シス部門がデータ活用に貢献していくためには、事業部門のビジネス上の課題を把握する必要がある。これは一見困難なように思えるが、実はそうでもない。

 今や、ほとんどのビジネスプロセスが情報システムに内包されており、事業部門よりも情シス部門の方がビジネスプロセスやデータに精通しているため、そこに存在する課題の把握能力は、実は、情シス部門の方が高いのである。

 しかし、課題を発見して事業部門に提案することそのものが、これまで情シス部門の役割ではないとされており、ある種の越権行為とみなされていたことから、たとえ情シス部門にそのような能力があったとしても、積極的に事業部門の課題解決に踏み込むことは控えられてきたのだ。だが、今後データをビジネスに活用する能力が企業の持続的な競争優位の源泉になるとすれば、両者のコラボレーションが成功要因となる。

 コラボレーションとは、目標と、それを達成するプロセスと、結果の共有だ。相互に積極的かつ前向きな越権行為により前進していくことが求められている。これまで長い歴史の中で、情報システム部門のスタッフが知らず知らずに封印してきた自らの能力を解放していくことが第一歩だ。

モノ作り型からサービス型へ

 これまでの情シス部門は、情報システムを開発・運用し、また、データを加工・保管する機能を果たしてきた。これは、工場の生産設備をつくり、管理し、そして在庫を保管する業務に似ている。筆者はこれを「モノ作り型情シス部門」と呼んでいる。

 一方、データをビジネスに活用して事業部門の課題を解決することは、ソリューションやサービスを提供するモデルと同じだ。筆者はこれを「サービス型情シス部門」と呼んでいる。前者から後者への変身をいかに遂げるか、ここに攻めの情シス実現の鍵がある。

 “モノ作り型”が、効率性を保ち、低コストを維持するために標準化や画一性(ユニフォーミティ)を重視するのに対し、“サービス型”の場合、業務効率性よりも、課題把握の能力をもち、創造性や先進性に富んだ解決策の提案と実行が重視される。

 言われたことを与えられた予算の中でいかに無駄遣いせずに瑕疵(かし)なくこなすかという視点から離れ、いかに他部門および全社に資する提案、企業価値向上に貢献する成果につなげられるか、という姿勢への転換だ。ではどうすればよいのか。筆者はポイントが3つあると考える。

  • 事業部門の課題把握(アカウントプランニング)
  • プロジェクトベースの働き方
  • 能力管理、能力可視化

 サービスは「相手」があって成立する。よって、まず事業部門を「顧客」ととらえる。顧客に価値ある提案をするためには、事業部門のビジネスのことをよく知る必要がある。そのため、情シス部門に事業部門担当者をおき、年度計画策定のタイミングで、各事業について事業環境や社内のデータを分析し、事業部門の抱える課題仮説をつくった上で、課題共有の討議を実施する。

 事業部門のためにどんなプロジェクトが必要かを計画する、すなわち「アカウントプランニング」だ。そして、このプランニングに基づいて情シス部門がプロジェクトを起案し、事業部門に対して提案を行う。事業部門が、情シス部門の提案を受け入れてくれれば、つまり、事業部門から価値のある提案だと認められれば、プロジェクトが組成され、実行されることになる。

 「攻めろ、と言われたって、業務部門で何が起きているのか情報も来ないのに、攻めようがないじゃないか(知った時には時すでに遅し)」という声が往々にしてあると思う。しかしそもそも論として、プロジェクトを情シス部門側から仕掛けていけばこの問題は解決する。なにより、スタートラインから情シス部門と事業部門がコラボレーションで動くことができる。

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