ベトナムでビジネスをする

ベトナムでの人づきあい--結婚式に呼ばれたら - (page 2)

古川浩規(インフォクラスター)

2015-11-01 07:00

参加者が三々五々に帰っていくベトナムの結婚式

 日本で結婚式に参列するときには、礼服が欠かせませんが、ベトナムでも同じです。とはいえ男性の場合、服装については日本よりもはるかに気楽に考えて構いません。ビジネススーツにネクタイを締めていれば、申し分ありません。ベトナムでは長袖のシャツにネクタイを締めるだけでも略礼装となりますので、ジャケットは着なくても問題ないほどです。女性の服装については詳しくは分かりませんが、こちらも気楽に考えて、普段より少し着飾る程度でよいでしょう。


市部での結婚式当日の新郎宅での一コマ。両家が顔を合わせ、新郎新婦の父親同士が「お嬢さんをいただきたい」「よろしくお願いします」という伝統的なやり取りを行うが、都市部では30分ほど、地方では2時間ほどかけて口上を述べ合う

 ご祝儀の金額については、相手との関係性、夫婦での招待かどうか、どのような場所で行われるのか、外国人としての立場など、いろいろと考慮すべき点があり、ベトナム人にとっても判断が難しいようです。日本人の1つの目安として、50万ドン(約2900円)という相場がある気もしますが、あくまでも目安なので、会社のスタッフなどからアドバイスを受けるとよいでしょう。

 ベトナムでは日本のような祝儀袋が一般的ではなく、よくエアメールの封筒に入れて持っていきます。もし準備する余裕があれば、日本の祝儀袋を使って、日本文化をアピールしてみてはいかがでしょうか。祝儀袋はベトナムでは非常に喜ばれるアイテムの1つになっています。また、お年玉袋(ポチ袋)を財布の隅に忍ばせておくと、いろいろな場面で重宝します。不幸で呼ばれる場合もあるため、無地のものがあれば兼用できます。

 さあ、いよいよ結婚式に参列です。日本とは少し異なるのは、会場の入り口でいきなり新郎新婦が出迎えてくれることです。そして、他の参加者とともにテーブルを囲んで新郎新婦の入場を待ちます。新郎新婦の入場から、シャンパンタワーやケーキカットなどのイベントがあり、余興のカラオケなどを楽しみながら、次から次へと出てくる食事をいただいていくというのは日本と全く同じです。


結婚式での1コマ。ベトナムでは宴席となると2時間足らずの間で15人程度がこの量を軽く飲み干す。お祝いごとにお酒はつきものだが、飲むペースや飲み方も日本とは異なるため、粗相がないよう気を使う

 新郎新婦も一息ついたら各テーブルを回り、それぞれの参加者と談笑するというのもよくある光景ですので、参加者の規模は日本よりもはるかに大きいもののアットホームな雰囲気も感じられる結婚式だと言えます。

 日本の結婚式と大きく異なるのは、食事が終わると参加者は三々五々に帰っていくことです。初めのうちは奇妙に感じたものですが、これがベトナム流。日本の結婚式と比べるとあっさり終わるようにも感じるかもしれません。お見送りをしてくれる新郎新婦に祝福の言葉をかけて家路につきましょう。時間としては長くとも2時間程度です。

 ちなみにベトナムの結婚式では、式の後半には会場のスタッフやドライバーといった人たちにも食事を振る舞う習慣があります。そのため、主催者は、お会計をしなければ何人分の料理が出されたのか分からないという怖さもあるそうです。

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