田舎の結婚式は、準備・当日・片づけで合計1週間!?
日本でも、結婚の際には結納や親族顔合わせなどなにかとイベントがありますが、ベトナムの都市部での結婚式でも同様です。ベトナム流のイベントとしては、結婚式の前日は新婦の実家で新婦側のお祝いがあったり、当日は新郎が新婦を迎えに行ったり、新郎の実家でのご先祖へのご報告などがあります。しかし、外国人である私たちがこれらを経験することは、まずないでしょう。参加する機会があるとすれば、結婚の当事者になるときですね……。

地方部での結婚式の一コマ。伝統的な民族衣装(アオザイ)に身を包む新婦。新郎は白いスーツだが、男性用のアオザイは結婚式でも見かけることが少なくなりつつある。新婦はこの後、白のドレスとカラードレスへと二度のお色直しを行った
都市部を離れた実家での結婚式についても同じようなイベントがあります。しかし、家の外の会場で結婚式を行うことが多い都市部とは異なり自宅を中心として執り行われるため、準備や実施も必然的に家族や周囲に住んでいる親族が総出になってきます。
もちろん、都市部でも自宅で結婚式を挙げるケースがありますが、結婚式用のケータリングを行う業者もあるためこれを活用することも多いようです。そのため、田舎での結婚式の大変さを評して「田舎の結婚式は、準備・当日・片づけで合計1週間かかる」という笑い話があるほどです。
しかし、最近の田舎の結婚式では、親族総出で結婚式に向けた食事の準備と当日の配膳などは行うものの、業者に飾り付けをしてもらったり、音楽を演奏してもらったりと、外部の力を頼ることも少なくありません。

地方部での結婚式の一コマ。新郎宅の前庭に仮設の宴会場を設営し、親族や友人を招いて披露宴を行う。この後、人も料理もさらに増えることになる
このような実家での結婚式となると、都市部のように2時間程度で終わるというわけにはいきません。結婚式前日は、結婚式に向けたイベントとは別に近しい親族への結婚報告を兼ねた宴会になり、翌日ももちろん宴会となるため、連日大宴会が繰り広げられることになります。
新郎新婦宅での結婚式が終わっても、隣近所の親戚の家に上がり込んでの二次会・三次会が自然発生的に起こりますので、参加される方は万全な体調で臨むことをおすすめします。

- 古川 浩規
- インフォクラスター
- 内閣府及び文部科学省で科学技術行政等に従事したのち、平成20年に株式会社インフォクラスター、平成22年にJapan Computer Software Co. Ltd.(ベトナム・ダナン市)を設立。情報セキュリティコンサルテーション、業務系システム構築、オフショア開発を手掛けるほか、日系企業のベトナム進出に際して情報システム構築や情報セキュリティ教育等を行っている。資格等:国立大学法人 電気通信大学 非常勤講師、日本セキュリティ・マネジメント学会 正会員、情報セキュリティアドミニストレータ、財団法人 日本・ベトナム文化交流協会 理事