General Electric(GE)におけるクラウドへの道のり
Hurd氏の基調講演では、GEの最高情報責任者(CIO)Jim Fowler氏を含む、知名度の高い顧客との対談もあった。GEはデジタル製造業を目指す動きの一環として、さまざまなアプリケーションのクラウド化に取り組んでいる。
Fowler氏はクラウドが持つ複数の利点を、例を交えて簡潔に説明した。GEのある部門が石油ガス事業で利用するコンフィギュレーターアプリをオフプレミスからクラウドに移行したところ、運用コストを6万5000ドルから6000ドルに削減できたという。しかし同氏によると、本当の利点は世界的な規模でもたらされ、より多くの注文や見積もりが処理できるようになったという。
Fowler氏によるとGEは、人材管理サービス「Oracle Taleo Cloud Service」などのクラウド製品を購入する場合には、慎重を期しているという。同氏は「市場での差別化につながらないものについては購入したい」と述べるとともに、「Oracleのようなスペシャリストからこの種の製品を購入し、社内の人材は自社独自の知的財産を築き上げていくために活用する方が理にかなっている」と述べた。
筆者の見解:Fowler氏は、数週間前にAmazon Web Services(AWS)の「AWS re:Invent 2015」に登場し、さまざまな領域でデジタル企業への変革を目指す一環として、AWSに「すべてを賭けている」と宣言していた。
GEは今後数年間で9000に及ぶアプリケーションワークロードをAWSへと移行し、データセンターの数を34カ所から4カ所にまで削減する計画だ。
この話題は当然ながら、Hurd氏とFowler氏の対談では出てこなかった。OracleはIaaSとPaaS、SaaSという3つのレベルすべてでクラウドを提供できるとアピールしているが、特にIaaSでは競合他社に後れを取っている部分がある。ただ、AWSとOracleの双方を検討している顧客にとって、Ellison氏がIaaSの提供価格でAmazonに対して真っ向から勝負を挑むと公言していることは良いニュースと言えるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。