海外コメンタリー

オラクルCEOのクラウド市場予想は妥当?--そしてGEとの対談で気になったこと - (page 2)

Chris Kanaracus (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2015-10-30 06:15

General Electric(GE)におけるクラウドへの道のり

 Hurd氏の基調講演では、GEの最高情報責任者(CIO)Jim Fowler氏を含む、知名度の高い顧客との対談もあった。GEはデジタル製造業を目指す動きの一環として、さまざまなアプリケーションのクラウド化に取り組んでいる。

 Fowler氏はクラウドが持つ複数の利点を、例を交えて簡潔に説明した。GEのある部門が石油ガス事業で利用するコンフィギュレーターアプリをオフプレミスからクラウドに移行したところ、運用コストを6万5000ドルから6000ドルに削減できたという。しかし同氏によると、本当の利点は世界的な規模でもたらされ、より多くの注文や見積もりが処理できるようになったという。

 Fowler氏によるとGEは、人材管理サービス「Oracle Taleo Cloud Service」などのクラウド製品を購入する場合には、慎重を期しているという。同氏は「市場での差別化につながらないものについては購入したい」と述べるとともに、「Oracleのようなスペシャリストからこの種の製品を購入し、社内の人材は自社独自の知的財産を築き上げていくために活用する方が理にかなっている」と述べた。

筆者の見解:Fowler氏は、数週間前にAmazon Web Services(AWS)の「AWS re:Invent 2015」に登場し、さまざまな領域でデジタル企業への変革を目指す一環として、AWSに「すべてを賭けている」と宣言していた。

 GEは今後数年間で9000に及ぶアプリケーションワークロードをAWSへと移行し、データセンターの数を34カ所から4カ所にまで削減する計画だ。

 この話題は当然ながら、Hurd氏とFowler氏の対談では出てこなかった。OracleはIaaSとPaaS、SaaSという3つのレベルすべてでクラウドを提供できるとアピールしているが、特にIaaSでは競合他社に後れを取っている部分がある。ただ、AWSとOracleの双方を検討している顧客にとって、Ellison氏がIaaSの提供価格でAmazonに対して真っ向から勝負を挑むと公言していることは良いニュースと言えるだろう。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]