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“目利き力”と“サポート力”で「超メーカー」を目指す--アシスト大塚社長 - (page 2)

岡崎勝己

2015-11-26 06:30

--ソフトウェア販売だけで付加価値を加えるのは難しいのでは。

 それは大きな誤解です。現状、パッケージ製品には数々の機能が実装されています。しかし、高額なコストを負担し導入したにもかかわらず、機能が十分に活用されているかと言えば、残念ながら“否”でしょう。であるならば、利用に向けた各種支援も十分に“付加価値”となり得るはずです。

 そのための“策”として力を入れてきたことの1つが、販売先への教育支援です。いくら優れた製品でも、使い方を知らなければ活用のしようもありません。教育で利用する当社独自の資料は、幸いなことに分かりやすいと大変好評です。

 また、製品をどんな用途で、いかに利用できるかの具体的な説明も顧客にとっての価値と言えるでしょう。その点を把握できなければ、業務改善に向けたツールは存在するものの、活用の判断まではつきかねるのですから。当社が事例作成に力を入れているのも、そのためであり、年間取引社数も6000社を数えます。営業や技術に対しても、できる限り事例ベースで製品のメリットを語るよう指示しています。

 一方で、販売側は一般にサポートの義務を負うものの、障害発生時に販売店とメーカーが問題を押し付け合い、解決が長引いたとの話をしばしば耳にします。対して、当社では技術者をはじめとする優れた人材をサポートに数多く割いており、場合によってはメーカーとも協業することで、各種障害を迅速に解決できていると自負しています。時間の浪費を回避できる価値は、企業にとって決して小さくはないはずです。

“目利き力”と“サポート力”を売上拡大の両輪に

--価値ある提案をするためには、製品の目利き力も求められる。

アシスト 代表取締役社長 大塚辰男氏

 そのための専任部署を設けているほか、世界各国の製品/サービスに関する情報サイト「9bot.jp」の運用を通じ、絶えず新製品の情報を収集し続けています。ただ、それ以上に貴重な情報源が、当社の多数のお客さまからいただく貴重なご意見です。新製品を紹介して回ることで、関心度や値ごろ感、想定外の用途といったさまざまな意見をダイレクトに受け取れるわけですから。

 その後、販売を決断したなら、メーカーと機能などについて徹底的に詰め、問い合わせ対応まで責任を持つことが当社の一貫した方針です。お客さまは新製品に対して程度の差はあれ不安を感じています。そこで、安心して導入できるよう、当社がサポートまで一貫して対応するわけです。

 こうした一連の取り組みを通じ、付加価値をさまざまな手法で高めることが可能となります。ひいては、メーカーを超える価値提供、つまり「超メーカー」こそ当社の目指すところなのです。

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