他社とは一線を画すソフトウェア販売で知られるアシスト。その創業者であるBill Totten氏から、2012年に取締役社長(2013年から代表取締役社長)を引き継いだのが大塚辰男氏である。大塚氏は社長就任にあたり、2017年度には2012年度比で約100億円増となる300億円の売上高を目指すとの意欲的な中期経営計画「弾丸-2017」を取りまとめた。今回はその達成状況と今後の展望について聞いた。
--中期経営計画の目標年度まで折り返し点を過ぎた。進捗をどう捉えているか。
堅調に推移していると言っていいでしょう。2013年度の売上高は2011年度比で11億円増の211億円、また2014年度も過去最高を更新する228億円を達成しています。さらに、2015年度はそれをはるかに上回る256億円を見込んでおり、このペースなら目標達成もほぼ確実だと思います。
--快走の原動力について。その要因は何か。

アシスト 代表取締役社長 大塚辰男氏
私が社長に就任して以来、当社では売上拡大の足場固めとして、社内リソースを「データベース」「情報活用」「運用」の3分野に重点投下してきました。例えばデータベース(DB)では、これまで豊富な販売実績を誇るOracleのソフトウェア製品に加え、アプライアンス製品の「Oracle Database Appliance」の扱いを開始したのもその一環です。この施策が当初の予想を上回る成果を上げています。
その理由として外せないのが、“ビッグデータ”への関心の急速な高まりでしょう。これにより、当社がOracle製品の販売などで培ってきたデータ管理や分析などのノウハウを営業に生かしやすくなっています。実際にちょっとした相談をきっかけに、BI(ビジネスインテリインテリジェンス)ツール「QlikView」やデータ連携ソフト「DataSpider」などの販売に結び付くケースも増えています。もっとも、データ活用はこれからが本番。目標達成のためにも、市場の伸び代をどれだけ取り込めるかが今後の鍵と言えそうです。
パッケージ販売の付加価値をいかに高めるか
--アシストはソフトウェア販売に特化した極めて稀な企業。売り上げの拡大/安定のため事業多角化に舵を切る考えは。
それは一切ありません。当社がなぜ顧客から大きな信頼を勝ち得えてきたのかと言えば、独立系パッケージベンダーとして、40年以上にわたり顧客に最も価値ある提案を行ってきたという点に尽きます。この軸がブレては本末転倒でしょう。そこで目指すべきは、顧客にとって一番良いパッケージを、より大きな付加価値を加味して提供することにあるはずです。