企業のIT部門は毎年、新たな難問に直面するとともに、貴重な教訓を手にしている。本記事では、そのようなかたちで2015年にもたらされた10の知見を解説する。
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年の瀬は過去1年を振り返るのに最も良い時期だ。特に、1年間やってきたことが正しかったかどうか、そして改善できるところがあるかどうかを評価するには打って付けの時期だと言えるだろう。デジタル化が限りなく進む現代、IT部門は企業において最重要とまでは言わないまでも、最も重要な部門の1つになっている。このため、幹部やシステム管理者は1年を振り返り、来る年にどういった点を改善できるのかというヒントを得るために最大限の努力を払うべきだろう。
本記事では2015年のIT分野にもたらされた10の重要な知見を解説する。
#1:BYOXは今後も残り続ける
社内の至るところでスマートフォンが利用されるようになるとともに、従業員が個人のデバイスを社内に持ち込む、すなわちBring Your Own Device(BYOD)というトレンドが生み出された。このトレンドは当初、スマートフォンやタブレットといったモバイル機器の持ち込みを意味する言葉であったものの、今では「何でもかんでも(X)持ち込む」ことを意味するBYOXという言葉に変わってきている。
Vodafone AmericasのプレジデントChuck Pol氏は「コンシューマーが自らのアプリやクラウド共有ツール、ソーシャルメディアを社内に持ち込むというBYOXは、新しいマントラとなっている。これは本質的に、自らの使用したいテクノロジとともに、企業環境内の自らの作業場所と作業方法に対する期待を持ち込むということなのだ」と述べている。
#2:DevOpsはもはや単なる流行語ではなくなった
開発部門と運用部門の協力に力点を置いたアジャイルな方法論である「DevOps」は、2015年に目覚ましい普及を遂げた。その目標は、コードの開発者と、そのコードを実行するシステムの運用担当者を結びつけるところにある。しかしDevOpsは進化を続け、それ自体の課題を抱えてはいるが、エンタープライズITにおける人気の方法論として2016年も一層の普及を見ることになりそうだ。