海外コメンタリー

データセンターの運用はアナリティクスで変わる--2社のアプローチを概説 - (page 2)

Keith Townsend (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2016-01-15 06:00

データセンターのテレメトリ

 CloudPhysicsはクラスタのプロバイダーに焦点を当てている。ただ現在のところ、サポート対象はvCenterのみだ。一方、Intelは最近、「Snap」という新たなオープンソースプロジェクトを発表した。このプロジェクトは、「Kubernetes」や「Apache Mesos」といったクラスタコントローラに、あるいは直接アプリケーションにテレメトリデータを提供するという、より幅広いところに焦点を当てている。

 筆者は、Intelにおいてデータセンタープラクティス関連で開発者への啓発活動に従事するMatthew Brender氏に話を聞いた。Brender氏によると、Snapはアナリティクスプラットフォームというよりも、テレメトリフレームワークと表現すべきものだという。Snapは、分析に使用する低水準の生データを提供するための普遍的なフレームワークと言える。

 テレメトリデータの例として、プロセッサ上で使用されているL2/L3キャッシュのサイズが挙げられる。キャッシュサイズは、CPUの使用率に関するデータなどと比べると、ずっと詳細な情報だ。このようなデータをクラスタ管理ソリューションに引き渡せば、クラスタマネージャはワークロードをどこに配置すれば最適なパフォーマンスが得られるのかを判断できるようになる。

 Intelは、Snapが主要なフレームワークとして普及することを期待している。Snapがクラウドインフラに価値をもたらすには、ベンダーの多大な貢献が必要となる。ネットワークやストレージといった、システムに対するインターフェースには、こういったシステムからのテレメトリデータを提供できるだけの深い知識を有する技術チームの貢献が必要なのだ。

 CloudPhysicsとIntelは、こうした分野で積極的な取り組みを行っている多くのベンダーのうちの2社でしかない。データセンターがクラウドへと移行するなか、データセンターの効率性を維持するうえで、アナリティクスは大きな役割を担うようになるだろう。次世代のインフラでは、パフォーマンスのレベルを保証しつつワークロードを確実に配置することが求められる。このため2016年には、データセンターのアナリティクスが重要なトレンドとなるはずだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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