Kocoloski氏は、「大量かつさまざまな形式のデータから洞察と行動を導き出そうとすれば、データの下準備や、適切なツールに合わせた加工だけでも一苦労となる」と述べるとともに、「統合されたデータツール一式と、単一プラットフォーム上で利用可能なテクノロジを用いた連携を可能にした企業は、より迅速な市場展開のためのデータ駆動型戦略を手に入れ、競合他社よりもはるかに優位に立てるだろう」と述べた。
上述したハイブリッドクラウドサービスは、オープンソーステクノロジに基づいており、複数のクラウドプロバイダーにまたがった配備も考慮されている。Kocoloski氏によると、IBMはそこを狙っているのだという。クラウド配備モデルを採用したオープンソーステクノロジを、柔軟性という観点から望む企業が増えてきているという事実に同社は気付いているというわけだ。
Kocoloski氏は「IBMのオープンなアプローチによって、データチームのメンバー全員が、業務で今すぐ必要となる、あるいは長期的なニーズに基づく最適なサービスを、いつでも追加したり削除できるようになる」と述べた。
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オープンソースへのこうした注力、そしてIBMのビッグデータ戦略全般で重要な役割を担っているのが「Apache Spark」のサポートだ。Kocoloski氏はSparkが「ビッグデータ向けのデファクトOSになりつつある」とまで述べ、このテクノロジを100万人以上のデータ科学者やエンジニアに教育するという目標を含む、Sparkプロジェクトに対するIBMの数多くの貢献に言及した。
ForresterのMichele Goetz氏によると、今回発表されたサービスは、ビッグデータとクラウドに向けた進路を明確にしつつあるIBMにとって、鍵となる次のステップになるという。とは言うものの4日の発表は、IBMがこの分野で最近実施してきているさまざまな投資や提携、買収といった取り組みの1つでしかない。
米自動車メーカーFord Motorは、自動車の走行データなどを分析するプラットフォームを開発するためにIBMと提携した。さらに、IBMの最新の決算報告を見ると、認知コンピューティングプラットフォームの「Watson」とともにクラウドに向けたシフトが明確に現れており、サーバハードウェア関連やエンタープライズソフトウェア関連といった従来からの製品は縮小傾向にある。