ハイパーコンバージドインフラ「VxRail」提供--VMware環境の経験を流用

三浦優子 田中好伸 (編集部) 2016年03月16日 07時30分

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 EMCジャパンは3月15日、ハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)の新製品「VCE VxRail Appliance」の提供を始めた。税別価格は最小構成となる「VxRail 60」が750万円から。小型や中型のデータセンター、企業の各部門やブランチオフィス環境での使用を想定している。

 EMCフェデレーションの1社である、VCEテクノロジー・ソリューションズのカントリーマネージャーである西村哲也氏は、「EMCが提供するコンバージドインフラストラクチャとしては、VblockやVxBlock、VxRack Systemsに続いて、エンドユーザーコンピューティング向けのアプライアンスとしてVxRailが加わることとなる。ネットワールドとネットワンシステムズの2社のパートナーから日本での販売を始める」と説明した。

VCEテクノロジー・ソリューションズ カントリーマネージャー 西村哲也氏
VCEテクノロジー・ソリューションズ カントリーマネージャー 西村哲也氏
EMC コンバージドインフラストラクチャ製品担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャー Gil Shneorson氏
EMC コンバージドインフラストラクチャ製品担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャー Gil Shneorson氏
ヴイエムウェア チーフエバンジェリスト 桂島航氏
ヴイエムウェア チーフエバンジェリスト 桂島航氏

 VxRailは、x86サーバにVMwareのハイパーバイザや運用管理ソフトウェアなどの“ハイパーコンバージドソフトウェア(HCS)”を組み合わせた製品。「これまでVMwareのソフトウェアを導入してきた企業はスキルやノウハウ、環境などをそのまま活用できる」(EMC コンバージドインフラストラクチャ製品担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャー Gil Shneorson氏)ことがメリットの一つとなる。

 保守についてはEMCジャパンが担当することから、最新のソフトウェアが信頼性の高い環境で利用できる。2016年第2四半期(4~6月)にはオールフラッシュストレージを搭載したモデルの提供も予定している。

年商600億円以上の企業の基幹システムが2週間かからずに構築

 VxRailは、EMCとVMwareが共同開発。高さ2Uのラックマウント型の筐体で提供される。

 Shneorson氏はコンバージドインフラを取り巻く環境について「これまでVMware製品を活用し、社内に技術者が育ち、ノウハウもたまっていると感じている企業であっても、従来はVMware製品を個別に購入し、自分たちの手で統合する必要があった。コンバージドインフラストラクチャが他社から提供されているが、これらの製品に魅力を感じても、スキルセットなどは新たに学ぶ必要があり、導入を決断できない企業も多かっただろう」と解説した。

 「こうした状況を鑑みて、当社ではVMwareとしっかりとパートナーシップを組んでVxRailを開発した。お客さまは柔軟な構成を選択できる、不安定要素のない製品を利用できるようになった」(Shneorson氏)

 HCSを提供するヴィエムウェアのチーフエバンジェリストである桂島航氏は、「核となる技術が仮想マシン、ストレージ、ネットワークを統合した“Software Defined Data Center(SDDC)”。中でも最も市場が伸びている、HCI領域の製品。ポイントはソフトウェア部分に置くことでハードウェアはx86ベースの業界標準のものを利用し、スケールアウトし、コスト削減にもつながる」と説明する。

 VxRailにも搭載されるHCSは統合管理ツールである「vCenter Server」、ハイパーバイザである「vSphere」、ストレージ仮想化の基盤となる「Virtual SAN」で構成されている。VMwareからはすでに3000社に提供されている。ハードウェア側はベースとなるx86サーバにさまざまなオプションを選択することも可能なCTOモデルで提供される。

 HCSのメリットとして、ポリシーベースの自動化で管理がシンプルなものになることを桂島氏は挙げている。従来のボリュームベースではなく、仮想マシン単位でストレージのサービスレベルを定義できるようになっている。

 これまでハイパーバイザはオーバーヘッドが大きいことが課題と指摘されるケースがよくある。だが、HCSの場合、ハイパーバイザをカーネルに組み込むことでオーバーヘッドを最小化していることもメリットとしてあげている。

 ハイパーバイザをカーネルに組み込むことで、仮想マシン(VM)を動的に移動させられる「vMotion」、分散型リソーススケジューラ「Distributed Resource Scheduler(DRS)」などの機能もネイティブで動作できることからvSphere上に複数のVMを走らせる従来のシステムに比べて高性能になると解説している。

ネットワールド 代表取締役社長 森田晶一氏
ネットワールド 代表取締役社長 森田晶一氏
ネットワンシステムズ ビジネス推進本部 第2応用技術部 プラットフォームチーム エキスパート 川満雄樹氏
ネットワンシステムズ ビジネス推進本部 第2応用技術部 プラットフォームチーム エキスパート 川満雄樹氏

 ストレージがオールフラッシュの場合、ディスクレベルで重複を排除するとともにデータを圧縮する。キャッシュからデータストアへのステージング時に重複したデータの排除、重複排除されたデータを追加で圧縮することからデータを2~8倍多く置くことが可能となり、コストダウンにも寄与できるとしている。

 HCSは、ラック単位の障害サポート、サイト間でのストレッチクラスタのサポート、VM単位での優先制御(QoS)機能のサポートなど高可用性の要件を満たす幅広い機能を搭載できるという。

 販売開始時点で国内で最初のディストリビューターとなるネットワールドの代表取締役社長である森田晶一氏は、実証実験として自社の基幹システムを前身製品に搭載したところ、「年商600億円以上の企業の基幹システムが2週間かからずに構築できた」と短期間に稼働できるものであると説明した。

 森田氏は数々の海外製品のディストリビューションを担当している立場から、「海外製品を取り扱う場合には、保守体制が整っているか否かを重視している。今回の製品はEMCの保守体制を利用できる点が大きなメリット」とも明らかにした。

 もう1社のパートナー企業であるネットワンシステムズのビジネス推進本部 第2応用技術部 プラットフォームチーム エキスパートの川満雄樹氏はエンジニアの立場から、「この2年間、多くのお客さまに接する中でHCIへの注目度が高まっていることを感じている。特に初心者でもすぐに運用に入ることができるというコンセプトに共感を持つお客さまが多い」という声を紹介した。

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